先日、楽しみにしていたSpike Lee監督の映画『DAVID BYRNE'S AMERICAN UTOPIA』が公開され、さっそく初日に見てきました!
David Bryneに関しては、不思議なことに特にこのBlogでとりあげたことがなかったと思うけれど、Bowieとの接点、Brian Enoくらいかな?と思っていたら、今回調べてたら色々出てきて面白かったので、ちょいとまとめておこう。
David Byrne、Talking Headsや『My Life In The Bush Of Ghosts』はもちろん好きだけど、2008年のEnoコラボ作『Everything That Happens Will Happen Today』が好きで、2018年に久々に二人がコラボした同名タイトルのアルバムが出た時もまっさきに聞いておりました。
とにかく『DAVID BYRNE'S AMERICAN UTOPIA』は「明るい!!」という印象だったのだけど、これ、むしろBrian Enoの明るさなんじゃないかな、とまで思ったりしながら見ていたけれど、とりあえずByrneとBowie周辺の歴史を追ってみると…
1973年11月 Fripp & Eno『(No Pussyfooting)』発売
1975年12月 Fripp & Eno『Evening Star』発売
1976年6〜9月〕フランスで『Low』のレコーディング。808の公演後にEnoも合流
9月末〕Bowie、ベルリンへ移住。EnoやIggyもベルリンへ
1977年1月14日 BOWIE『LOW』発売
3月〜5月〕Bowie、Iggyの世界ツアーにキーボーディストとして同行(前座はBlondie)
6月〕Eno、『Cluster & Eno』、『After The Heat』及び『Before and After Science』のレコーディング
6月〕Bowie、ハンザスタジオでIggy『Lust for Life』のレコーディング
8月〕Bowie、Eno、ハンザスタジオで『Heroes』のレコーディング(Guitar: Robert Fripp)
10月13日 BOWIE『Heroes』発売
10月〜1978年2月〕Devoのレコーディング
1978年3月〜6月〕BOWIE ISOLAR II ツアー(Guitar: Adrian Belew)
3月〜4月〕Eno、『More Songs About Buildings and Food』、『NO NEW YORK』のレコーディング
7月14日 TALKING HEADS『More Songs About Buildings and Food』発売。
8月〜9月〕スイスに移住し、『Lodger』のレコーディング(Guitar: Adrian Belew)
8月28日 DEVO『Q. Are We Not Men? A. We Are Divo!』発売
11月 V.A.『NO NEW YORK』発売
11月〜12月〕BOWIE "The Oz Tour(ISOLAR II ツアー)”(Guitar: Adrian Belew)
1979年 3月『Lodger』のレコーディング続き
Eno、NYに移住
4月22日〜5月6日〕Eno、『Fear of Music』のレコーディング(Guitar: Robert Fripp)
5月18日 BOWIE『Lodger』発売
5月〕Bowie、NYに戻る。Greek TheaterのTalking Headsのコンサートへ
後日、Nicoの仲介でDavid Byrneと出会う
8月3日 TALKING HEADS『Fear of Music』発売
5月〜1980年7月〕Eno、『My Life in the Bush of Ghosts』のレコーディング
12月〕 Bowie、サタデーナイトライブにクラウス・ノミと出演
1980年2月〜3月〕 Bowie、『Scary Monsters』のレコーディング(Guitar: Robert Fripp)
7月〜8月〕Eno、『Remain in Light』のレコーディング(Guitar: Adrian Belew)
9月12日 BOWIE『Scary Monsters』発売
10月8日 TALKING HEADS『Remain in Light』発売
11月〜1981年4月〕TOM TOM CLUB レコーディング(Guitar: Adrian Belew)
1981年2月 Eno&Byrne『My Life in the Bush of Ghosts』発売
10月 TOM TOM CLUB『TOM TOM CLUB』発売
というわけで、Bria Eno先生以外のキーパーソン達。
Robert Fripp(ギタリスト)
1967年にキング・クリムゾンを結成。1973、75年にはEnoと共同アルバムを発表。Bowieの『Heroes』『Scary Monsters』に参加。また、Enoを介してTalking Headsの『Fear of Music』に参加後、1980年のソロアルバムのボーカルにDavid Byrneを起用。
Adrian Belew(ギタリスト)
1977年にフランク・ザッパのバンドに参加。そのライブを見たボウイから声をかけられ、1978年のボウイの世界ツアーに参加。Enoを介してTalking Headsの『Remain in Light』、Tom Tom Clubのレコーディングやライブにも参加し、キング・クリムゾンのメンバーとなる。
Toni Basil(ダンサー、女優、振付師)
Bowieの企画していたミュージカル『1984』で振付を依頼されていた。その後、グラススパイダーツアーで振付を担当。Talking Headsの「Once in a Lifetime」の振付のみならず監督も。www.youtube.com
さてEnoを介して(も介さなくても)、互いに同じ時代に同じように英米以外の音楽に耳を開いていたDavid BowieとDavid Byrne。
グラム時代のボウイのことは遠目に見ていたバーンも、Enoとコラボした『Low』には影響を受けたことをインタビューで語っている。
もちろんBowieも影響を受けており、「DJ」は明らかにByrneの歌唱をまねている。
親しい間柄というわけでは全くなかったようだけれど、Bowieは1996年に「ロックの殿堂入り」を果たした際に、プレゼンターをByrneに依頼。
そして2016年の「ロックの殿堂」では、ボウイの追悼パフォーマンスとして「Fame」を演奏。
2018年1月13日のNYで開かれたThe Radar Festivalでは、「Heroes」を。
こうしてByrneがBLM運動がシリアスな問題である中、作り上げたステージの映像が、より切実な光に思えるようになったコロナ禍の2021年。
ボウイならどうしてたかな…とどうしても考えてしまう。