先日、カラックスのアレックス3部作とBowieのことを書いたけれど、触れなかった『Pola X』の音楽はScott Walkerだったことを思い出した。Bowieのこと辿ってると、ああ、ここでもあそこでもつながってた!というのが次々と出てきて、とてもとても面白い。
Bowieが最も影響を受けたと言って良いであろうシンガー、Scott Walker。
『スコット・ウォーカー 30世紀の男』予告編 - YouTube
この映画はBowieが制作総指揮を務めており、こちらはDVDが出た時の湯浅学と樋口泰人の対談→*
私が最初にScott Walkerを知ったのは、Jacques Brelを経由してのこと。Brelを英語でカヴァーしてたので。Walker Brothersを解散後のScott Walkerが出したソロアルバムには3枚目(1967/68/69)までいつもBrelの曲のカヴァーがあり、それをまとめたのが「 Scott Walker sings jacques brel」(1981)。
BowieがカヴァーしたBrelの曲「My Death」と「Amsterdam」はどちらも、実はScott Walkerが『Scott 1』(1968)で先にカヴァーしていた曲。BowieはもちろんBrelのことも好きで、1973年にパリで面会しているらしいけれど、最初の受容はScott経由だったのかな。憶測。
「My Death」のBrelの「La Mort」を聞くと、グレゴリオ聖歌の「怒りの日」の旋律が元になっている曲であることがよく分かる。Scott Walker もこの旋律をイントロでは用いているけれど、あまり強調していない。Bowie に至ってはほぼこのメロディを無視してる様子。
キューブリックの映画『シャイニング』オープニングに使われた「怒りの日」の旋律。
The Shining opening credit - YouTube
Jacques Brel
Jacques Brel - La Mort (+ paroles) - YouTube
Scott Walker
David Bowie (1973)
David Bowie: My Death.Russel Harty Show Live ...
Ziggy時代の歌い方は違うけれど、それ以降に変化したBowieの低音を響かせる歌唱方法は確実にJacques BrelというよりもScott Walkerのそれを受け継いでる。
David Bowie (1995)