数日間で色んなことがあって、世紀が変わったな…という感じがひしひし。
まさかトランプはならんやろう、と思っていたけれど、開票始まって昼ぐらいに「これはもしや…??」って思い出してからは、二つの世界を想定して、ヒラリー大統領になって、今「自分の暮らし」に不満を抱いている人たちが更にそれを募らせ、行動していく未来が来るよりは、トランプ大統領になって「これはアカン!」と動く人々がいる未来の方が健やかな希望があるのではないか…という気になってきていたので、結果が出た時には「がんばるしかないよね」って感じに。
しっかしマジ胃が痛かった…
世界史の未来予想はこれでガラリと変わるのか。
アメリカとは…
と考えていたら、Bowieの「This is not America」が何度も頭の中を流れていたけれど、アメリカといえば…と、思い出して、彼が911の集会のために歌ったサイモン&ガーファンクルの「アメリカ」の歌詞をちゃんと読んでみた。
AMERICA : Simon and Garfunkel
words & music by Paul Simone
Let us be lovers,
We'll Marry our fortunes together,
I've got some real estate
Here in my bag
So we bought a pack of cigarettes,
And Mrs, Wagner's pies,
And walked off
To look for America,
"Kathy", I said,
As we boarded a Greyhound in Pittsburgh,
Michigan seems like a dream to me now.
It took me four days
To hitch-hike from Saginaw.
"I've come to look for America".
Laughing on the bus,
Playing games with the faces,
She said the man in the gabardine suit
Was a spy.
I said, "Be careful,
His bow tie is really a camera".
"Toss me a cigarette,
I think there's one in my raincoat".
We smoked the last one
An hour ago.
So I looked at the scnenery,
She read her magazine;
"Kathy, I'm lost", Isaid,
Though I knew she was sleeping.
"I'm empty and aching and
I don't know why".
Counting the cars
On the New Jersey Turnpike
They've all come
To look for America,
All come to look for America,
All come to look for America.
以下、拙訳です。
「アメリカ」
ポール・サイモン 詩・曲
恋人とぼく、
幸せな結婚をするんだ
バッグの中には
少し蓄えもある
タバコを1箱と、
「ミセス・ワグナー」のパイを買って、
アメリカ探しに
歩き出した
「キャシー、あのね」
ピッツバーグでグライハウンドバスに乗った時、ぼくは話した
ミシガンにいたのがもう夢のよう
サギノーからヒッチハイクで4日かかったんだ
「ぼくはアメリカを探しに来たんだ」
バスの中で笑い合い、
色んな奴らとゲームをした
彼女はギャバジンスーツの男は
スパイだって言ってた
ぼくは言った「気をつけろ、
彼のネクタイはカメラがついてるから」
「タバコをおくれ、
ぼくのレインコートのポケットに1本あったと思う」
だけどもうぼくたちは最後の1本を1時間前に吸い終わってた
それでぼくは景色をぼんやり見つめ、
彼女は雑誌を眺めた
広々とした草原に月が昇った
「キャシー、ぼくは迷子だ」って
眠ってる彼女に向かって言ってみた
「ぼくは空っぽ、心が痛む
なんでかは分からないけど」
ニュージャージーの高速道路で車を数える
彼らはみんなアメリカを探しに来たんだ
みんなアメリカを探しに来たんだ
みんなアメリカを探しに来たんだ
良い曲。
歌詞は眠っているキャシーに話かける辺りから、その単純にアメリカンドリームを信じているわけではない主人公の心情がはっきり述べられるけれど、繰り返される「Look For America」という言葉は、Americaが「探す」必要のあるものであることが強調されている気がする。当たり前のようにあるものではない。「アメリカ探し」はヨーロッパ人が「新大陸」を探していたあの頃も、そして今も、相変わらず続いてる。
もう11月も半ばになり、1年で一番美しい季節になってきたけれど、去年の麗しき11月の私に「1年後にはBowieもPrinceも死んでて、大橋巨泉も千代の富士も死んでて、だけど厚顔にも安倍政権はまだ続いてて、トランプがアメリカ大統領だよ。それだけじゃない。Alan VegaもLeonard Cohenも死んだ」って言ったら、正気じゃ居られないと思う。
Leonard Cohen - You Want It Darker (Lyric)
コーエンの新作の歌詞に出てくる「You」は、「神」ととると一番分かりやすいけれど、神は、祈れば何でも叶えてくれる、というわけではなさそうだ。