今日はロッキンオン。
ほんとはPrinceも比較したかったけど、ロッキンオンはPrinceを表紙にしなかった!!!(怒)
80年代はあんなに礼賛しておきながら…
というわけで、買ってないので、『★』発売前の2月号と急遽追悼号となった3月号を。
80年代のシンプルな表紙に対し、最近の表紙は…
おそらく読者の高齢化に伴い、Bowieのような知った顔じゃない限り、最近のバンドが表紙だと「顔」だけじゃ誰か分からないから、文字を多くしてるんだろう、と推測しますが、どうでしょうか…
裏表紙は2号続けて『★』。
まず2月号(12月29日発売)。
表紙には「デヴィッド・ボウイ、帰還!」という文字。
メインはコールドプレイと、「美メロ」ロック50曲という特集。
「美メロ」の方では、9位に「Life On Mars?」が選ばれており、大鷹俊一が解説の頭に「まだたった一回聴いただけだが、ボウイの新作『★』、素晴らしかった。」と。
特集の方は8ページ。
「"We were born upside down" DAVID BOWIE 」対談:山崎洋一郎×高見展
ということで、「試聴会で『★』を1回聴いただけ」で8ページ語り合う(とくに資料はなし)という無謀企画。
攻め方が『Low』を彷彿とさせる、ということが強調されながら、全編、絶賛。
普段ロッキンオン買わないからワカランけど、こういうもんなの?
1回聴いただけで、この絶賛(上述の大鷹さんもしかり)、少々大げさ過ぎやしないかい…と思いつつ、年末にコレ読んだときは「なんだか分からないがとにかく凄いらしい」とワクワクしました。
それ以来、はじめて読み返したけれど、なるほど、本人の死を前提に聴かなければ、一聴して感じ取られた不安感、緊張感というのが「今」という時代に関わるものだと理解されていたのだな。Bowie自身の死を前提に聴かれるようになってしまったのは少しもったいない…気もしたりする。
そして最後は「夢のように素晴らしい」という結論で終わっていました。
巻末のDISC REVIEWにも『★』by 井上貴子。
「まさかこんな才気走った傑作とは夢にも思わなかった」と。笑
「聴いていると、宇宙からボウイに見守られているような奇妙な錯覚に陥る」というのは、まさに。そしてそれは錯覚ではなくなった。
続いて3月号(2月1日発売)。
rockin'on (ロッキング・オン) 2016年 03月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ロッキング オン
- 発売日: 2016/02/01
- メディア: 雑誌
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48ページの大特集。半分以上は過去のインタビュー記事再録。
「巻頭言」山崎洋一郎
『★』だけでなく、これまでのどのアルバムも「ラスト・アルバム」のようだった。
「DAVID BOIWE THE LAST INTERVIEW 2003」インタビュー:中村明美
・『KID A』が好きでRadioheadのライヴに行ったら、ライヴの方が良かったということ。もうすぐTV ON THE RADIOを観に行く。
・『REALITY』について。
・「レコードを売ってお金を稼ぐ時代は終わって、ライヴこそが唯一の資金源になるはず」という予言(→Pと異なり、Bowie自身はまったくそうならなかったけれど)。
以下、インタビュー再録はいずれもありがたい。
「DAVID BOWIE INTERVIEW 2002」インタビュー:山崎洋一郎
・『Heathen』について
・『hours...』は作りたいという必然性で作ったものではなかった。
・911のイベントで「America」を歌ったことについて。
「DAVID BOWIE INTERVIEW 1997」インタビュー:井上貴子
・『Earthling』について
・「僕はこの男(表紙のプリンスを指差して)と同じ問題を抱えてるんだよ。つまり僕は時として曲を書き過ぎるんだ。」
・デヴィッド・キット氏が2週間前に亡くなったことについて
・50歳記念ライブについて
「DAVID BOWIE INTERVIEW 1978」インタビュー:渋谷陽一
短い質問集。
「デヴィッド・ボウイとは何か?『★』とは何か?」:語り手=渋谷陽一
特筆すべきことは特に…
「ボウイがNYで生んだ『魂の救済』の物語」:中村明美
ミュージカル『ラザルス』を上演していたNYCシアターはボウイの家から5分(車で?)の場所。ラザルスのあらすじ。
「果てなき変容の完結」大鷹俊一
教科書的なボウイ史。
「世代も国境も文化も越えた"異端者たちの守護神"ボウイ」児島由紀子
ロンドンでパンクな青春を送った筆者。『Low』は「当時のロンドン・パンク・シーンでも最重要作品の1枚」など、他ジャンルの愛好者だけでなく、世界中のアート、ファッション、マンガなどなどに影響を与えた存在であったということ。
「『レッツ・ダンス』と『ジギー・スターダスト』〜ボウイは孤独をどう描いたのか?」高見展
・「SUICIDE」は「自暴自棄」というニュアンス。
・ムーンライトというロマンスの象徴が「シリアス」であるということ。
「生も死も作品にした最初のロック・スター、デヴィッド・ボウイ」井上貴子
「人生を誰にも奪わせなかった」「ボウイらしい最期」。
以上が特集。
以下、連載。
「NO MORE ポップコーン泥棒 第18回 土曜のドライヴ・インで〜追憶のボウイ映画」内瀬戸久司
「思えば、ボウイが演じた役には、似たような役はひとつもなかった」ということで、『地球に落ちてきた男』『戦場のメリークリスマス』『ハンガー』『ラビリンス/魔王の迷宮』『バスキア』のボウイ映画「神5」について。
「コレポン通信 デヴィッドボウイと私〜音楽関係者が語るボウイへの想いと『★』制作秘話」中村明美
特集ではないこのコーナーの2ページが実は一番『★』の情報が多いというのは、この雑誌の特色をいかにも表している。
編集後記は3名ともボウイ話。
DISC REVIEWには、まだCDでは出ておらず配信のみという時期ながら、Princeの『HITnRUN phase2』が取り上げられ、まったくこれが遺作となるとはもちろん予想されていないので、相変わらず「これも良いけど、次作はもっと良いのをね!」ムード。
という2月号、3月号でした。
時期的に7月号がPrince表紙だな、って予想していたのに、まさかのレッチリでずっこけて、買ってません。
Bowieがなくなったときに、Princeファンの知人と、「Pがもし亡くなったとして、Bowieほど事件になるだろうか、首相のコメントなど出るのだろうか、雑誌は取り上げるだろうか…ちょっと無理かもね…」と話していたけれど、今となってみたら、同じか、むしろPrinceのほうがこれまで語られて来なかった分、新鮮な言葉がよりたくさん紡がれているのだけど、ロッキンオン、この時はさてはここまでになるとは予想していなかったでしょ…という気がするので猛省をお願いします。
過去インタビュー記事アーカイヴだけでよいので、今からでよいので、出してください。