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bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

TIMES ARE CHANGING

かねてからNHK FMの「今日は一日〜三昧」と「しりすぎてるうた」にはBowieを取り上げていただいたく、リクエストメールなど送っていたのだけど、予想外なことに、先にPrinceが後者で取り上げられました。

確かにBowieの「しりすぎてるうた」って何なんだろう…という疑問はあり。

まあ、「Let's Dance」になるのかな〜〜。

 

「しりすぎてるうた」はNHK FMで不定期に放送される番組で、細馬宏通安田謙一というゆるゆる関西弁コンビが色々な角度から1曲を語り尽くすもの。これまでABBAの「ダンシング・クイーン」や渡辺美里「マイ・レボリューション」、CAROL「ファンキー・モンキー・ベイビー」が取り上げられており、どれもめちゃくちゃ面白かったので、昨日の「しりしぎてるうた:パープル・レイン」は大期待で聴き、大満足したのでした。細馬さんと言えば、「うたのしくみ」という連載でも、決して言葉と音楽を分離させることなく、「うた」としての分析を行ってくれる希有な存在。

しかも昨年、私がまだPrinceにハマる前に観た七尾旅人と細馬さんのツーマンライブで「プリンスの日本語カバー」として「Starfish and Coffee」をやってくれたこともあり、安田氏は言わずもがな、で、Princeへの造詣も深いはず、と、聞く前からワクワク。

せっかくなので忘れないようにメモしておきます。

 

まず、なぜ「Purple Rain」になったのか、という話で、やはりみんなが今年トリビュートとして演奏する曲、またニュースなどでかかる曲、NHKの特番でもラストにかかった曲だったけれど、それがもう「いかにもぴったり」であるということ。

しかしこの曲は決して「Princeらしい」曲ではないこと。

(「Princeらしい」といえばこういうの、ということで「Dirty Mind」が流れる。(コメントゲストの湯浅学氏は「Purple Rain」は「むしろボブ・ディラン的」と述べており、彼が選ぶ「Princeらしい」曲は「Eye Hate U」)

確実に「ねらい」がある曲であったこと。

ということで、これに似ている曲として紹介されたのが、こちら。

 


David Bowie Five Years

 

何が似ているかというと、「説教」ぽさ。

バーブのかけられた声で、聴衆に語りかける、というスタイルであること。

ということでまずアルバム『Purple Rain』の1曲目「Let's Go Crazy」が紹介されます。これはもうまちがいなく聖職者の語り。

「来世」はエエとこやけど、うちらはまだこの辛い「現世」で生きてかなあかんし、ほなもう踊らなあかんな、というような内容。

 

「Purple Rain」の歌詞は最初は普通にラブソングかのような始まりなのに、2回目のサビが終わり「I know, I know, I know times are changing」(ディランを彷彿とさせる言葉)というところから実はYouが恋人ではなく、観衆に代わるというのが今回の指摘。

というのはこの後「It's time  we all reach out for something new」と、「we」が出てきて、これはその後「手を挙げて振る」ことを促される観客は、その次の歌詞「That means you too」で、「え?私?」と察知。

さらに「You say you want a leader」から「And let me guide you to the purple rain」ということで、すっかりPrinceと私(たち)という関係に聴衆がおかれてしまう。

次の歌詞はもうこれ。

「If you know what I'm singing about up here

C'mon raise your hand」

はい。初めてこの曲を聴いた人も手を挙げてしまうのでした。

 


Prince Purple Rain at AMA Awards in 1985 Rare HQ

 

映画ではライブで初めて演奏されるこの曲がいきなりみんなの心を掴んでいたけれど、実際はこの曲のライブ初披露の際には、なかなか観客が乗ってきてくれなくて、Princeはしつこく14分?も演奏し続けたとか。Princeはもうこの曲は聴衆が全員手を振りながらコーラスすることが前提で作曲していた、ということ。

という彼に番組はめちゃくちゃぴったりの形容詞を授けました。

「先走り」笑。

Princeはいっっっつも何もかも先走っていて、みんなが追いつくまでにタイムラグがある、ということ、それはもう亡くなるまであらゆることがそうだった、というもの。

なるほどなああ〜〜〜。

 

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というわけで、あらためて。4月21日以来はじめて映画『Purple Rain』を見返してみました。

これまで実はあんまりこの映画、ピンと来てなかったけど、いやあ、ええじゃないか!!なにがピンときてなかったかというと、このときのPrinceの表情がいつもイマイチ理解できないというか、気持ちが読めない顔だなあと思っていたのだけど、いやあ、このラジオ聞いてから観たら急にグッときてしまった。

 

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Princeの役名はPrinceではなくKIDだけど、バンド名はThe Revolutionだし、他の登場人物はリサ、ウェンディ、モリス、アポロニアなど、映画での名前と現実の名前(芸名)が一致。 

で、映画の衣装と実際のライブでの衣装も同じだし、これはもう「現実なのか!」と思っちゃうでしょう。当時は。

こういうの、あったわ…と『すかんぴんウォーク』を思い出したけど、現実と交差する映画、体感したかった……!!

 

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関西でもいま堺の映画館で『Purple Rain』を上映してるようだけど、ちょっと遠い!

もう少し近くでお願いします……!!行くから。

 

そしてNHK FMさん。「今日は一日ボウイ三昧」(司会はサエキけんぞうで、もちろん「しりすぎてるうた」のコーナーもあり)と、「今日は一日プリンス三昧」(司会は西寺郷太安斎肇)をお願いします!!!!