なかなか更新できぬ年度末…
「Fame」が使われているらしい『フォックス・キャッチャー』も見に行けてません…
という多忙な季節の土曜夜、NHK総合という、もっとも日本中どこでも見られるチャンネルでDavid Bowieが特集されました!
SONGS | これまでの放送 | 第331回 デヴィッド・ボウイ
坂上忍の「極私的」ボウイ論というタイトルに偽りなく、彼の半生をBowieの半生になぞらえるというか、Bowieから「勇気を得てきた」という構成で、だいぶ忍の人生の方に詳しくなりました。
そもそも最近、忍がTVで「Let's Dance」を歌うと、ボウイと岡村ちゃん(眼鏡をかけると似ているという)の両方についてのツッコミが溢れるので、完全に私得な事象。
ナイスナイス。どんどん歌ってってください。
「極私的」というタイトルゆえ、ファンが満足するような濃いものを期待してはいけないことは分かっていたので、どれほど「キャッチー」な内容になるのかしら、というのが今回の興味。まあBowieの50年、どこをどう切って出してもらってもいつでも最高にかっこいいので良かったんですが、去年のベスト盤「Nothing has changed」に絡めて、最初は「Ziggy」と「Let's Dance」の落差で「変化」を見せておいて、最終的には「ブレてない」=「何も変わってない」で落とす、という妥当な構成でした。正解じゃないでしょうか。
私がNHK総合で30分のボウイ番組を考えても、無難にこのシナリオにすると思う。
なので是非今度はFMの方で「今日は一日ボウイ三昧」をやって、レア音源やら貴重なゲストやらを招きまくって欲しいものです。ぜひ最低1時間は細馬宏通&安田謙一による「しりすぎてるうた」のコーナーにして、「Let's Dance」の解剖、解析をお願いしたく!!
今回、忍をMCに据えたことで、必然的にも「Let's Dance」がクローズアップされたんですが(知名度からしてもそうなったのだろうけど)、この曲、リアルタイムのヒット時を知らない私のようなまだ年数の浅いファンには何と捉えていいやら、という存在でした。よく知らないくせに「ボウイはレッツダンスでダメになった」という「噂の定説」は知っていて、これはBowieを聞かず嫌いで人生損してる(過去の私含む)音楽好きにはだいぶ共有されているものではないかと。
しかしこのアルバムはやはりよく出来てるし、「Let's Dance」って曲も素晴らしい。
最初に「なんてイイ曲なんだ!」と気づいたのは、2002年のこのTVでのスパニッシュギターが活躍する渋いアレンジを聞いたときでした。
David Bowie - LET'S DANCE - Live By Request ...
もちろんナイル・ロジャースによる元のVer.もカッコイイけれど、このVer.だとBowieの楽曲の美しさが新発見された感じでした。
番組ではあとはジギー期のみが長めに流れてて、まあ私は何を隠そう、Bowieの作ったキャラの中ではベタにジギーが好きなので(歌舞伎な髪型と眉毛なしでニヤリが好き)いいんですが、まだまだカッコイイのあるんだけど…と不安に思いながら放送の感想を検索してみて、「こんなかっこよかったんだ!」というような声を見つけてニヤリ。
若い時にハマって、色んな体験をBowieの音楽と歩んでこれた人のことが羨ましいのはしょうが無いけれど、でも色んなものを見聞きした後にBowieに出会うのもすっっごく面白いので、今からでも遅くない。
「Dance」はきっとBowieにとってすごく大事なキーワードなんじゃないかと思ってる。
Remember to dance, dance, dance. - bowie note
Why can't give love that one more chance? - bowie note
最近は「誰でも触れられる」TV、新聞というメディアが翼賛体制に利用されて、虚構の「世論」が作られてて恐ろしいけれど、本来は、「誰でも」という利点はこういうことに使って頂きたい。誰もが何かと出会うチャンスに。レッツダンス!