bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

シンコーミュージック・ミュージックマガジン・青土社・河出書房

KAWADE夢ムックの『プリンス 紫の王国』が昨日発売になり、イッキ読み。

編集は現代思想の巻末で痛快なディスコグラフィーを書いてくれた松村正人さん(と三田格氏)。4冊めのPrince特集本として、他を考慮せざる得なかった辛さはありそうな感じだったけど、全体的にどの記事も歌詞の云々よりも、音楽に拘っているのが多いのは好感。面白かった。

 

ということで、例の特集本一覧がとりあえず揃ったので、比較用メモとして目次をダダダとまとめておきます。

 

☆PRINCE☆

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① CROSSBEAT Special Edition "PRINCE"

(2016年6月9日発行、196頁、1,600円)

CROSSBEAT Special Edition プリンス (シンコー・ミュージックMOOK)

 

【CONTENTS】
HISTORY

巻頭文:荒野政寿
破格の契約金を得てデビュー、やがて時代の寵児に:高橋道彦
レヴォリューション解散後の新展開と、ワーナーとの確執:高橋道彦
結婚・離婚を経て、ファン・サイトからのリリースに注力:高橋道彦
再び活動が活発化してきた矢先の、突然の訃報:高橋道彦

REVIEW & COLUMNS
全公式アルバム(1978-2016):JAM、小林雅明、高橋道彦、荒野政寿、村上ひさし、長谷川町蔵、大久達郎、佐藤英輔、沢田太陽
ミネアポリス・サウンドの背景:高橋道彦
“ギタリスト=プリンス”の魅力:佐藤英輔
ラッパーが語る“プリンスとヒプホップ”:ダースレイダー
プリンスとジャズ:原田和典
後進を刺激し続けるプリンスという音楽家:荒野政寿
主なアルバム未収録曲:沢田太陽
主演劇映画:長谷川町蔵
プリンスの歌詞に見るメッセージ性:小林雅明
“パープル・ミュージック”の配合成分を聴き解く:渡辺亨
プリンスとワールド・ミュージック:吉本秀純
死後に注目された慈善家としての横顔:井上ひさし

DISC SELECTION
曲提供、プロデュース etc.--プリンス関連作を再検証:荒野政寿、大久達郎、佐藤英輔、JAM、杉山仁、ダースレイダー長谷川町蔵、山下紫陽、渡辺亨

注目すべきカヴァー・アルバム/ソング:渡辺亨

チャートにも食い込んだ「プリンス・カヴァー」の数々:大久達郎

INTERVIEWS & ARCHIVES
対面インタビュー①:本邦初公開の初期発言:1981:アンディ・シュワルツ
ミネアポリス突撃取材/来日時裏話:1992:松尾潔
来日記者会見での全発言:1996:岩崎隆一
対面インタビュー②:1996 & 1999:内本順一
対面インタビュー③:1999:播磨秀史
リッキー・ピーターソンが語る 素顔のプリンス:中田利樹
LIVE IN JAPAN 1986-2002:レポート&写真で振り返る来日公演:今泉圭姫子、渡辺亨、岩崎隆一、佐藤英輔
歴代担当氏が語る プリンスとの仕事 井本京太郎×野口由香×湯山惠子:大久達郎
関係者証言:『Diamonds And Pearls』日本レコーディングの舞台裏:大久達郎
「プリンス・ナイト」主催者の横顔 テリー植田:荒野政寿
西寺郷太が語る プリンスと日本、ミネアポリス・サウンドの影響力:荒野政寿、鈴木ダイスケ

R.I.P. PRINCE:アーティスト、著名人による追悼語録:飯村淳子

 

② MUSIC MAGAZINE増刊 プリンス:星になった王子様

(2016年7月14日発行、192頁、1,800円)

プリンス 星になった王子様

 

【CONTENTS】

One Day My PRINCE Had Come... 来日ツアーの記録(写真=石田昌隆、大熊一実)

プリンスはずっとプリンスのままである(湯浅学

ミネアポリス追悼・考察紀行(西寺郷太

孤独な王子を支えたパートナーたち(高橋健太郎)

80年代に最高に輝いた“ヤンチャさ”(和久井光司

“ファンキー”であることの意味(金澤智)

ブラック・コミュニティとプリンス(堂本かおる)

矛盾を武器としたヴィジュアルの魅力(長谷川町蔵

プリンスのこどもたち(安田謙一

 

アルバム・ガイド(小出斉)

そのほかのおもな作品(松竹剛)

 

ミュージック・マガジン・アーカイヴズ

 夢の王子様は成人向指定(1982年1月号)(今野雄二

パープル・ジェネレーションのニュー・ヒーローを目指すプリンス(1984年8月号)(湯川れい子

2万の大観衆に降りそそいだ華麗な紫の雨(1985年1月号)(今野雄二

プリンスの新たな第一歩——パープルからペイズリーへ(1985年5月号)(今野雄二

アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』の面白さ(1985年6月号)(小嶋さちほ×真保みゆき)

すごかった! プリンス来日公演(1986年11月号)

カラフルな夢にあふれる“つくりもの”の世界(高橋健太郎)

大きく変った“異端”のイメージ(北中正和

素直に伝わったメッセージ(椿正雄)

ベッドルームから届いたプリンスのニュー・アルバム(1987年5月号)(高橋健太郎)

もっと知りたい? プリンスの秘密(1988年7月号)

新作『LOVESEXY』と幻の『ブラック・アルバム』(今野雄二

シングルB面に刻まれたもう一つのプリンス・ストーリー(高橋健太郎)

また熱く躍動しはじめたミネアポリス・コネクション(1990年9月号)(萩原健太

『ダイアモンズ・アンド・パールズ』を発表したプリンス(1991年10月号)(高橋健太郎)

 

③ 現代思想2016年8月臨時増刊号 総特集 プリンス 1958-2016

(2016年7月22日発行、246頁、1,500円)

現代思想 2016年8月臨時増刊号 総特集◎プリンス1958-2016

 

【CONTENTS】

パレードへようこそ
少数者の王子 / 松浦理英子
音楽への無条件の信頼 / 湯浅 学     
「闘争者」としてのプリンス・ロジャース・ネルソン / 吉岡正晴    
メロディ・メイカーとしての魅力 / ピーター・バラカン
Ƭ̵̬̊の唯名論 / 佐々木 敦
「この曲のベース・ラインはどこだい?」 / 大谷能生
踊れなくなったプリンス / 宇野維正


対談

笑っちゃうほどすごいし、ありえないほど美しい ――思い入れの名曲を弾いてみよう! / 西寺郷太向井秀徳
プリンスという〈コンセプト〉を探る――音楽への愛と遺された謎 / 高橋健太郎+萩原健太


「僕らは、想像しうる限りに高い音で終わる」……音楽・自己・魂について
TAFKAPかく語りき ――ST. PAUL PIONEER PRESS 一九九六年一一月一七・一八日 / ジム・ウォルシュ/佐久間由梨 訳


インタビュー
気持ち悪くて気持ちいい / 及川光博 (聞き手=かつ とんたろう)


Prince……たたかう貴公子
聖なるセックス(マシーン) / 大和田俊之
プリンスと人種をめぐる諸相 / 出田 圭    
特異性の論争 ――プリンス、その経験の雫 / 森 元斎


The Revolution……紫の迷宮
マルチプレックス・ポエトリー / 小谷真理
想像力の架け橋を / 樋口泰人
プリンスのドリームスケイプ ――永遠に遅れた夢の作業 / 新田啓子
紫のソリテアー    ――プリンス――いつか井戸の鳩が鳴くとき / 中野利樹 (TOSH NAKANO)    
ジョニに抱かれて ――「ア・ケイス・オブ・ユー」を歌うプリンス / ガス・スタドラー/松井一馬 訳
殿下が遺したサムシング / 上野功平


The New Power Generation……光と影の世界
物見の塔の王子が見たもの    ――プリンスと「エホヴァの証人」考 / 北丸雄二
ザ・レヴォリューション・アンド・プリンス ――音楽アメリカ民主主義 / 源中由記
プリンスという大いなるフィクションについて / かつ とんたろう
絶倫の思想 / 行友太郎
ぼくは 君の意識、ぼくは 愛 ――プリンス2捧げる歌 / ヒルトン・アルス/曽我直隆 訳


1958⁻2016
ディスコグラフィ松村正人

 

④ 文藝別冊 KAWADE夢ムック プリンス 紫の王国

(2016年8月29日発行、240頁、1,300円)

プリンス (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

 

 

【CONTENTS】

 論考

プリンス入門:本根誠

プリンスへの旅のはじまり:湯浅学

ウェンディ&リサから見たザ・レヴォリューション:坂本麻里子

ヒップホップ誕生を契機としたブラックミュージック史におけるプリンスの輪廻転生:磯部涼

三度目の邂逅:泉智

Gotham・Gothic・Groove:吉田雅史

ラテンのプリンス〜ベト・マルティーネスの証言より:宮田信

プリンスとマイルス:原雅明

プリンスとフレンチタッチの余白に:陣野俊史

生の手ざわりを歌った男:新田啓子

着ることと自己のテクノロジー:五野井郁夫

王子と神さま:三田格

 

わたしが選ぶプリンスの一枚:ECD曽我部恵一甲田益也子坂本慎太郎中原昌也

 

対談・鼎談

直枝政広×大谷能生

平井玄×三田格×松村正人

 

コラム・エッセイ

プリンス、か弱き男:湯山玲子

YouTube上の貴公子:高橋勇人

プリンスとそのミューズたち:坂本麻里子

未発表曲から選ぶ、プリンスこの5曲:DJヨーグルト

プリンスのホロスコープ鑑定:フェミニャン

あたまとからだなかでおこっていること(プリンスのなかで):小沼純一

プリンスと巨大な人:根本敬

前衛のプリンスたち:山崎晴美

 

ディスコグラフィ 1978→2015:近藤康太郎、南波一海、南部真里、二木信、三田格安田謙一、DJヨーグルト

 

★BOWIE★

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① CROSSBEAT Special Edition 増補改訂版 "DAVID BOWIE"

(2016年2月8日発行、216頁、1800円)

【追悼緊急出版】CROSSBEAT Special Edition 増補改訂版 デヴィッド・ボウイ (シンコー・ミュージックMOOK)

 

【CONTENTS】 
◎追悼デヴィッド・ボウイ
2016年1月10日、デヴィッド・ボウイ逝去: 広瀬融
アーティストから寄せられた追悼のコメント:飯村淳子

 

インタビューで解いてくれた「音楽の真理」:大谷英之

お見事—ボウイが見せてくれた崇高な別世界:大久達郎

担当者が垣間見た、貴重なボウイの素顔:小沢暁子

デヴィッド・ボウイから受け取った最大のもの:小野島大

僕が初めて喋った外国人はボウイだった:久保憲司

『ラビリンス』の魔王姿にひとめ惚れ:栗原類

ジギー・スターダストは本当に実在した:沢田太陽

不安や怖れと向き合うことで描き続けた希望:新谷洋子

70年代の担当者が明かしたジギーの舞台裏:高橋明

「僕はスター」と主張して記者会見に2時間遅刻:東郷かおる子

騙されたと思った、最初のボウイ体験:長谷川町蔵

大人にはきこえない特別なメッセージ:広瀬融

オーラと華、色気がある本物のロック・スター:保科好宏

"父親"がいなくなった日:美馬亜貴子

どこにも定住しない美学を貫いた一生:山本昭彦

自信作「★」に込められた真のメッセージ:吉村栄一

 


デヴィッド・ボウイ、最期の日々:ダニー・マッキャスリンインタビュー:マイケル・ボナー
ニュー・アルバム「★」徹底解剖:小田島久恵、佐藤英輔、美馬亜貴子

最新のジャズも「デヴィッド・ボウイの音楽」に:村井康司

最後の舞台作品『ラザルス』、逝去直後のNY公演をレポート:広瀬融

 

(以上が増補された部分。以下は2013年発行分と同じ)


Part 1 HISTORY
生い立ちから現在まで――激動の50年を追いかけた完全ヒストリー

1947-1972:ロック史上最大のアイコン、ジギー・スターダストの誕生:広瀬融
73年2月のデヴィッド・ボウイ初インタビュー:吉成伸幸
1972-1980:劇的な変化でロック界最高の創造性が爆発:広瀬融
名作を立て続けに生み続けた78年のインタビュー:東郷かおる子
1980-1992:史上最大のヒット、商業的成功を謳歌した80年代:広瀬融
「レッツ・ダンス」『戦場メリ』を語った83年のインタビュー:林洋子
1993-2013:迷路を脱した復活劇から新作発表までの動向を追う:広瀬融

『ザ・ネクスト・デイ』合評:広瀬融、美馬亜貴子、吉村栄一

『ザ・ネクスト・デイ』の制作舞台裏を公開:大久達郎
70年代黄金期を総括した03年のインタビュー:大谷英之

Part 2 DISCOGRAPHY
アルバム/映像/本などボウイの全てをまとめたディスコグラフィ:大久達郎、小野島大、沢田太陽、広瀬融、吉村栄一

Part 3 LIVE IN JAPAN
通算7回目の来日公演全記録、体験者による回顧録でその神髄に肉迫

伝説の初来日を<ライヴ・レポート+記者会見+ドキュメント>で検証
73年/78年/83年/90年/92年/96年/04年のライブ詳報+80年と04年の来日記者会見を再録:保科好宏、吉成伸幸、広瀬融、吉村栄一、大久達郎、

25年で17公演――海外ライヴ追っかけ観覧記:広瀬融

Part 4 SOUND+VISION
デヴィッド・ボウイはいったい何が凄かったのか?:広瀬融
長くて深い、ボウイと日本との関係:吉村栄一

気さくでミーハーな音楽ファンとしての横顔:美馬亜貴子
"ミュージシャン"としてのボウイを再考:大久達郎

影響力随一!セールスを越えたその功績:美馬亜貴子


Part 5 WHO'S WHO
デヴィッド・ボウイに関わってきた人たちを年代別に総覧:大久達郎

 

② レコード・コレクターズ増刊 デイヴィッド・ボウイ・アンソロジー

(2016年3月14日発行、249頁、1500円)

レコード・コレクターズ増刊 デイヴィッド・ボウイ・アンソロジー

 

【CONTENTS】 

『ジギー・スターダスト』関係のレコード(レコード・コレクターズ2002年8月号)

 

デイヴィッド・ボウイ 1967‐1990(レコード・コレクターズ1990年4月号)

“サウンド&ヴィジョン”に浮かぶ孤独な英雄(サエキけんぞう

オリジナル・アルバム・ガイド

67~72年(植村和紀)

72~74年(北中正和

74~76年(小野島大

77~78年(大鷹俊一

79年~(立川芳雄)

編集盤、オリジナル・アルバム未収録曲(吉村栄一)

David Bowie's British Singles(吉村栄一)

演技者としても個性を発揮する映像作品(大鷹俊一

ボウイを支えたアーティストたち(赤岩和美)

プロデュース/参加レコード(吉村栄一)

華麗に変化し続けたツアー(吉村栄一)

 

ジギー・スターダスト(レコード・コレクターズ2002年8月号)

73年までの歩みを振り返る(小野島大

ボウイが提供した虚無感漂うSF的世界(立川芳雄)

ジャケットの細部にも込められたSF的意匠(山崎智之

ジギーのモデルとなった二人の異端ロッカー(白谷潔弘)

“グラム”を決定づけたハード・ロック的要素の導入(和久井光司

興奮、そして衝撃のステージを捉えた映像作品(赤岩和美)

発売30周年アニヴァーサリー・エディション全曲ガイド(大鷹俊一岡村詩野サエキけんぞう松山晋也安田謙一湯浅学

シングル収録曲からライヴまでレア音源を完全整理(吉村栄一)

リリース・ヒストリー(吉村栄一)

ディスコグラフィー

オリジナル・アルバム(保科好宏)

編集アルバム選(赤岩和美)

新作『ヒーザン』を聞く(大鷹俊一

ミック・ロンソン/スパイダーズ・フロム・マーズ山崎智之

ロンソン/スパイダーズ関連アルバム・ガイド(鳥井賀句)

 

ザ・ネクスト・デイとベルリン三部作(レコード・コレクターズ2013年4月号)

さらに先に進んだエネルギッシュな新作(小野島大

[対談]『ザ・ネクスト・デイ』と『ロウ』『ヒーローズ』(サエキけんぞう×杉原徹彦)

“ベルリン三部作”をより深く味わうための20枚(サエキけんぞう、杉原徹彦)

“ベルリン三部作”アルバム・ガイド(小山哲人)

近作5タイトルがBlu-Spec CD2で登場(立川芳雄)

 

スペシャル・アーティクルズ・フロム・レコード・コレクターズ

グレード・アップされた2組のライヴ盤(2005年6月号)(吉村栄一)

紙ジャケットCDシリーズ17タイトル(2007年4月号)(吉村栄一)

『ヤング・アメリカンズ・スペシャル・エディション』(2007年4月号)(金澤寿和

LPのオビを再現したSHM‐CDが登場(2010年1月号)(立川芳雄)

グラム・ロック期のボウイが影響を与え続ける理由(2012年7月号)(小野島大

[インタヴュー]ケン・スコット(2012年7月号)(吉村栄一)

『ジギー・スターダスト』リイシューCD変遷史(2012年7月号)(吉村栄一)

 

スペシャル・アーティクルズ・フロム・ミュージック・マガジン

ボウイとT・レックスのキッチなサウンド(1972年11月号)(小倉エージ)

魅力いっぱいのステージ(1973年4月号)(亀渕友香

デビッド・ボウイー 地球へのパスポート(1978年10月号)(相倉久人

[対談]シンセサイザーと人間の感性の間(1978年12月号)(坂本龍一×鈴木慶一

[インタヴュー]ジギー・スターダストはロスにウッチャッてきたよ(1979年2月号)(坂本龍一

第3期黄金時代の幕開けか(1983年5月号)(今野雄二

どうだった? 東京のボウイ(1983年12月号)(湯川れい子、貴島理子、今野雄二海野弘、森脇美貴夫)

集大成的ツアーと80年代メディア戦略(1990年7月号)(稲増龍夫

ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』での変貌(1993年5月号)(安斎明定)

[インタヴュー]『ヒーザン』と“ヒーローズ”、そして“アメリカ”(2002年7月号)(小野島大

[インタヴュー]充実した新作『リアリティ』(2003年10月号)(小野島大

会心の出来の『ザ・ネクスト・デイ』(2013年4月号)(長谷川町蔵

“攻め”の新作『★』(2016年1月号)(大鷹俊一

 

③ ユリイカ2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイ

(2016年3月28日発行、-頁、1300円)

ユリイカ 2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイ

 

【CONTENTS】 
特集*デヴィッド・ボウイ
 
■Can you hear me?──地球管制塔より
“魅惑”する装い / 高橋靖子 山本寛斎
デヴィッド・ボウイのこと / 松山 猛
追悼・デヴィッド・ボウイ / 吉川晃司
Dear, Mr. Stardust / 土屋昌巳
こうしてデヴィッド・ボウイでも持ち出さねば。 / 志磨遼平
ディヴィー・ジョーンズの左眼に捧ぐ / 七尾旅人

■Nothing has Changed
“Time may change me(Bowie)” / 鋤田正義 図版構成=羽良多平吉

■The Stars are never far away
ぼくの 星だった デヴィッド・ボウイのように変わり続けるために / 上條淳士 聞き手・構成=島田一志
★の徴しのもとに デヴィッド・ボウイの「晩年様式(レイトスタイル)」/ 田中 純
ただ、ニュースを伝える / 北村紗衣

■The Man Who...
「ボウイが俺を復活させてくれたんだ」 / イギー・ポップ 訳=松井領明
デヴィッド・ボウイは決して誰の真似もしなかった」 / ミック・ロック 訳=松井領明
デヴィッド・ボウイに、長靴をはいた猫を演じてもらおうとしたんだ」 / リンゼイ・ケンプ 訳=松井領明

■Blackstar is Here
華麗なる意匠とその“魂” / 湯川れい子
ジャンルを超えて紡いだ音楽 デヴィッド・ボウイ×マリア・シュナイダー / 挾間美帆
生成変化するエレクトロニックミュージック 『★』と新世代ジャズ、生演奏の革新 / 柳樂光隆
星条旗の(黒い(ブラックスター))星のもとに デヴィッド・ボウイと「アメリカ」 / 高村峰生

■Saying No but meaning Yes
クイアな迷宮 / 北丸雄二
ジギー・オルタナティヴ 英国における受容と寛容 / 入江敦彦
ボウイの憧憬と諦念に魅せられて / 岸野雄一
起承転々の物語 何度目かのデヴィッド・ボウイの「葬送 / 円堂都司昭
新しい都市での新しい仕事 「ベルリン三部作」を中心に / 畠中 実
緩慢な笑み / 石黒隆之
人々は黄金に変わる 詳説 デヴィッド・ボウイのアルケミー / 中野利樹(TOSH NAKANO)

■Sound And Vision──イメージの煌めき
困難を経て〈★〉へ! 終わりなきフィクションの時間を駆け抜けたデヴィッド・ボウイ / 上原輝樹
境界を駆け抜けた美しき傾奇者(かぶきもの) beyond the life and/or death, beyond the gender / 藤原えりみ
この人を見よ デヴィッド・ボウイと〈クール〉の極意 / 清水知子
ピーター・ピンクコートの時代 日本の少女マンガにボウイが遺したもの / 三浦沙良
機械の上手な操縦法 / 青野賢一

■変容の軌跡、あるいはその星座
デヴィッド・ボウイ ディスコグラフィー 一九六七─二〇一六 / 吉村栄一

 

④ 文藝別冊 KAWADE夢ムック デヴィッド・ボウイ

(★2013年5月23日発行、224頁、1200円)

デヴィッド・ボウイ (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

【CONTENTS】 

「翌日は、沈黙の白さに登場する--デヴィッド・ボウイに寄せて」河添剛
デヴィッド・ボウイ語録  編=ユリシーズ

大回顧展「David Bowie Is」リポート「死体は窓から投げ捨てよ --ヴィクトリア&アルバート美術館におけるデヴィッド・ボウイ展」熊谷朋哉
「ペルソナを纏った男の上昇と下降、そして帰還 --David Bowie: Biography」赤岩和美
「回想するミック・ロック --ジギー・スターダストと写真家」河添剛(構成)

 

Talk Cross(談=ユリシーズ(河添剛×平治))
「ロック・ミュージックの可能性に向けて --デヴィッド・ボウイの世界を聴く/読む」
「ロック・ミュージックの廃墟をめぐって」

ULYSSES/創作
ジル・ドゥルーズとアラン・ロブ=グリエ、デヴィッド・ボウイを語る
「逃走の線に魅せられた欲望の解放者」(鈴木泉/訳・構成)

Essay
栗原類 「彼について僕が知っている二、三の事柄」
石毛栄典 「永遠なる少年ボーイ」
カズコ・ホーキ 「デビッド“ぱっぱか" ボーイについて」
林 拓 「オッド・アイ喜劇 David Bowie and Folk Music」
花本彰(新●月)「僕たちは、どこに行くのだろう? David Bowie and Progressive Rock」
佐藤薫 「名声と殿堂の熱きゴシップ David Bowie and Black Music」
阿木譲デヴィッド・ボウイ『ゴドー(GOD)を待ちながら』」
鈴木創士 「古代様式 デヴィッド・ボウイ
髙洲宏志 「内面におけるもう一つの劇 --ボウイの70年代」
江川隆男 「落下し続ける〈星屑(スターダスト)ー 強度(ジギー)〉」
巻上公一 「空白を表現する」
小沼純一 「シンクロナイズ=シンフォニー --ボウイ、イーノ、グラス……三十年後の偶然と変容」
樋口泰人 「不死の時間とともに --映画の中のデヴィッド・ボウイ
河添剛 「『地球に落ちて来た男』の幻想」
佐久間達也 「10 Years,What A Surprise! --鋤田正義 写真集『Speed of Life』制作ノート」
小塚類子 「You're not alone !」
松井清 「ZIGGY STARDUST Costum Design 1972-1974」
松永啓之 「衝撃のフンドシ一丁」

Interview
高橋靖子(聞き手=河添剛)
「私はボウイとずっとお友達のままなの それがとっても嬉しいんです」

Bowie's Astral Atlas/Notes for Bowie's Astral Atlas(石川真一)

 

ボウイ曼荼羅 --ボウイとともに、ボウイによって、ボウイの中から拡がる200枚のアルバム

(ユリシーズ大貫憲章、小川真一、河添剛、鈴木泉、平 治、福島恵一、松山晋也)

ディスコグラフィ大貫憲章、平治、河添剛、古川博一、福島恵一、熊谷朋哉)
ビブリオグラフィ(熊谷朋哉)

 

 

 

 

TIMES ARE CHANGING

かねてからNHK FMの「今日は一日〜三昧」と「しりすぎてるうた」にはBowieを取り上げていただいたく、リクエストメールなど送っていたのだけど、予想外なことに、先にPrinceが後者で取り上げられました。

確かにBowieの「しりすぎてるうた」って何なんだろう…という疑問はあり。

まあ、「Let's Dance」になるのかな〜〜。

 

「しりすぎてるうた」はNHK FMで不定期に放送される番組で、細馬宏通安田謙一というゆるゆる関西弁コンビが色々な角度から1曲を語り尽くすもの。これまでABBAの「ダンシング・クイーン」や渡辺美里「マイ・レボリューション」、CAROL「ファンキー・モンキー・ベイビー」が取り上げられており、どれもめちゃくちゃ面白かったので、昨日の「しりしぎてるうた:パープル・レイン」は大期待で聴き、大満足したのでした。細馬さんと言えば、「うたのしくみ」という連載でも、決して言葉と音楽を分離させることなく、「うた」としての分析を行ってくれる希有な存在。

しかも昨年、私がまだPrinceにハマる前に観た七尾旅人と細馬さんのツーマンライブで「プリンスの日本語カバー」として「Starfish and Coffee」をやってくれたこともあり、安田氏は言わずもがな、で、Princeへの造詣も深いはず、と、聞く前からワクワク。

せっかくなので忘れないようにメモしておきます。

 

まず、なぜ「Purple Rain」になったのか、という話で、やはりみんなが今年トリビュートとして演奏する曲、またニュースなどでかかる曲、NHKの特番でもラストにかかった曲だったけれど、それがもう「いかにもぴったり」であるということ。

しかしこの曲は決して「Princeらしい」曲ではないこと。

(「Princeらしい」といえばこういうの、ということで「Dirty Mind」が流れる。(コメントゲストの湯浅学氏は「Purple Rain」は「むしろボブ・ディラン的」と述べており、彼が選ぶ「Princeらしい」曲は「Eye Hate U」)

確実に「ねらい」がある曲であったこと。

ということで、これに似ている曲として紹介されたのが、こちら。

 


David Bowie Five Years

 

何が似ているかというと、「説教」ぽさ。

バーブのかけられた声で、聴衆に語りかける、というスタイルであること。

ということでまずアルバム『Purple Rain』の1曲目「Let's Go Crazy」が紹介されます。これはもうまちがいなく聖職者の語り。

「来世」はエエとこやけど、うちらはまだこの辛い「現世」で生きてかなあかんし、ほなもう踊らなあかんな、というような内容。

 

「Purple Rain」の歌詞は最初は普通にラブソングかのような始まりなのに、2回目のサビが終わり「I know, I know, I know times are changing」(ディランを彷彿とさせる言葉)というところから実はYouが恋人ではなく、観衆に代わるというのが今回の指摘。

というのはこの後「It's time  we all reach out for something new」と、「we」が出てきて、これはその後「手を挙げて振る」ことを促される観客は、その次の歌詞「That means you too」で、「え?私?」と察知。

さらに「You say you want a leader」から「And let me guide you to the purple rain」ということで、すっかりPrinceと私(たち)という関係に聴衆がおかれてしまう。

次の歌詞はもうこれ。

「If you know what I'm singing about up here

C'mon raise your hand」

はい。初めてこの曲を聴いた人も手を挙げてしまうのでした。

 


Prince Purple Rain at AMA Awards in 1985 Rare HQ

 

映画ではライブで初めて演奏されるこの曲がいきなりみんなの心を掴んでいたけれど、実際はこの曲のライブ初披露の際には、なかなか観客が乗ってきてくれなくて、Princeはしつこく14分?も演奏し続けたとか。Princeはもうこの曲は聴衆が全員手を振りながらコーラスすることが前提で作曲していた、ということ。

という彼に番組はめちゃくちゃぴったりの形容詞を授けました。

「先走り」笑。

Princeはいっっっつも何もかも先走っていて、みんなが追いつくまでにタイムラグがある、ということ、それはもう亡くなるまであらゆることがそうだった、というもの。

なるほどなああ〜〜〜。

 

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というわけで、あらためて。4月21日以来はじめて映画『Purple Rain』を見返してみました。

これまで実はあんまりこの映画、ピンと来てなかったけど、いやあ、ええじゃないか!!なにがピンときてなかったかというと、このときのPrinceの表情がいつもイマイチ理解できないというか、気持ちが読めない顔だなあと思っていたのだけど、いやあ、このラジオ聞いてから観たら急にグッときてしまった。

 

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Princeの役名はPrinceではなくKIDだけど、バンド名はThe Revolutionだし、他の登場人物はリサ、ウェンディ、モリス、アポロニアなど、映画での名前と現実の名前(芸名)が一致。 

で、映画の衣装と実際のライブでの衣装も同じだし、これはもう「現実なのか!」と思っちゃうでしょう。当時は。

こういうの、あったわ…と『すかんぴんウォーク』を思い出したけど、現実と交差する映画、体感したかった……!!

 

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関西でもいま堺の映画館で『Purple Rain』を上映してるようだけど、ちょっと遠い!

もう少し近くでお願いします……!!行くから。

 

そしてNHK FMさん。「今日は一日ボウイ三昧」(司会はサエキけんぞうで、もちろん「しりすぎてるうた」のコーナーもあり)と、「今日は一日プリンス三昧」(司会は西寺郷太安斎肇)をお願いします!!!!

 

 

 

 

SIGN 'O' THE ★s

お盆も終わり。

初盆で帰ってきてくれていた★たちを、よほど私は帰したくなかったのか、天国へ帰る魂を照らす京都の五山の送り火が大雨に見舞われたようです。珍しい。

中止にはならなかったものの、ほとんど見えなかったらしい。

 

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さて、特集紙を読み直す、ってやり始めたものの、案の定「特別号」の前で止まってしまいました。「読む」ってことだと自分用メモだからなあ…と。

まあ、ここは「ノート」なんですが。

 

 

先日の京都みなみ会館のボウイ★ナイトは結局、キャンプ参加を選らんでしまった。

見逃した『ラビリンス』は、後日、自室でプロジェクターで上映。

ちょうど帰省中の妹も誘って。

妹と私は、小学校低学年の頃、ピアノの先生に『ラビリンス』を観るために映画館へ連れていってもらったのでした。たぶん「子供が好きそう」というのと「ボウイが出てる」というので、先生が選んだのだと思う。

妹はジャレスはほとんど記憶になかったらしく、手が喋るシーンとか、悪臭の沼とか、そういうところばかり「ここ知ってる!覚えてる!」と指摘。

分かる…私もそうだった…ジャレスはあの頃の私たちには「オトナ」というか「オジサン」というか、ピンと来ないキャラで、我々は主人公サラにばかり見とれていたのでした。

 

 

今年はそういうわけでBowieとPrinceの映画を「何度も」観ている。

ほんと「映画」という形で作品を残しておいてくれてありがとう!!!!と思う。

ライブ映像とか山ほどあるのだろうけど、VHSで出て、LDになって、DVDになって、と、容れ物が変わっていったり、あるいはいかなかったりに、所有すのが大変だけど、「映画」はむしろみんなの共有物なので、出来事として体験できる。

 

先日神戸でも爆音上映を観た『Sign 'O' The Times』が今度は「良音」上映される、とのことで、塚口まで初めて行ってみた。

クリクリの茶色い目がキラキラしていて、ほんとにキレイなのに、もう、存在しないんだなあ…と思うと涙がぽろり。

でももちろんこの映画は泣いてる場合じゃなくて、どんどん観てるうちに元気になる。

このPrinceのしなやかな強さは何なんだろう…

信仰心だとすれば、それはこんなに人をむしゃらにクリエイティブに、前向きにさせてくれるものなのか。「神様を信じる強さを僕に」、なんてオザケンは書いていたけど、信じることは「楽をすること」ではなくて、強くないとできない。

 

なんか、そんなことを考えながら帰ってきたのでした。

 

初盆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Prince「ギターマガジン 7月号」「ベースマガジン 7月号」、「JAPAN JAZZ vol.71」

いやあ…

Prince特集の『現代思想臨時増刊号』が素晴らしかったので、その書評的なものを書きたくて始めたBowieとPrinceの追悼特集本の再読。なかなかたどり着かない〜〜〜

なぜこう1つのことをしたいだけなのに、マイナス地点から開始するのか…

「自分で順に全体を把握したい」性格。

絶対、塾とかで「教えられる」のは向いてなかったと想像。行ったことナイからわからんけど…

 

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はい。ようやう「表紙&特集」での最後、リットーミュージックのPrinceの方です。

 まずはこちら。

Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 7月号  [雑誌]

Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 7月号 [雑誌]

 

特集「殿下のギター愛」は堂々の26ページ!!!

 

ちなみに前回(2010年9月号)の特集はこちらで読めるようになっています。

rittor-music.jp

 

 

「巻頭言」西寺郷太

あらゆる楽器を操るものの、「ギター・ヒーローとしての佇まいの、ステージさばきが極めて美しかった」ため、プリンスといえばギター。

 

「#1: HOHNER HG-490 "Mad Cat"」

Princeが最も愛したとして知られる、日本のブランド、H.S.アンダーソン(1974年設立)のギター。

設計/開発者の椎野秀聰のインタビュー。最初は「あんな気持ち悪いヤツが使っても誰も買わないだろう、と思って」いたそう。

 

「#2: Cloud Guitar」

映画『パープルレイン』の中に出てくるギター。

 

「#3: Symbol Guitar」

'94年の改名の前年に制作して使い出した。

制作、リペアを担当した柚山哲也のインタビュー。

 

「#4: GUS GUITARS G1"Purple Special"」

制作者のサイモン・ファーマーのインタビュー。Prince最後のギター。

 

「プリンスが愛したギターたち」川上啓之

メイン使用以外のギターを紹介。およびアンプ、エフェクターも。

 

「Prince's Sound Style〜プリンスの録音環境を斬る!!」中村公輔

ペイズリーパークスタジオの機材紹介。

デヴィッド・Zの役割。APIのミキサー卓、リンドラム、リズムマシン、デジタル・リバーブ、ライン録音。

 

SUGIZOインタビュー」

ギター的名盤は『Rainbow Children』『N.E.W.S.』『Parade』

 

「Playing Analysis of Prince』安東滋

カッティング、バッキング、コンビ、コード・ボイシング、ソロ…

 

この特集号はほんと超保存版!!!

 

 

次に

 

BASS MAGAZINE (ベース マガジン) 2016年 7月号 [雑誌]

BASS MAGAZINE (ベース マガジン) 2016年 7月号 [雑誌]

 

 

特集は12ページ。

「"ベースは僕にとっては「B-A-S-E」であって「BASS」じゃない。「BASS」は魚さ(本誌2000年2月号より)”」と語ったPrinceの低音を探る。

 

「時代を作った"天才"の歩み」佐藤英輔

バイオグラフィーと、「常軌を逸した音楽的な幅の広さ」「希有のボーカリスト」「常軌を逸した多作家であり、音楽の虫」「感性の鋭さやクレヴァーさから来る、イメージ作りのうまさ」「バカヤロー精神、あまのじゃく志向に則った、胸のすく行動」「女好き」といトピックを経て、プリンスとベースについて。「ベースを意識的に入れていない曲」は「低音についての独自の感覚、見解を持っていたことの証左」。ラリー・グラハムへの信奉。

 

「ベーシストに聴いてほしいプリンス」國崎晋

『戦慄の貴公子』:シンセベースのぶっきらぼうなまでの野蛮かつ斬新さ

『パープルレイン』:「弦ベース」や「シンベ」はないが、「キックベース」は存在。リズムマシンによって作り上げられた低域の音階は存在。「ロック/ポップスでベースに求められているのは、低い音域と高い音圧そして反復だということが、ベースという楽器を使わずして証明されてしまっている。」

『パレード』:「KISS」はベースはないが、「シンセのシーケンスがベース弦の倍音成分のような役割を果たし、実際には存在しないベース・ラインが多くのリスナーには聴こえているはずだ」。

『サイン・オブ・ザ・タイムズ』:シンベ、弦ベースとバラエティ豊か

『Rave Un2 the Year 2000』(DVD):ラリーのプレイを。

『レインボウ・チルドレン』:〃

 

スペシャルインタビュー:ロンダ・スミス」

NPGのベーシスト。身近で体感してきたPrinceのベースプレイ。典型的なジャズ・ベースサウンドがPrinceの好み。

「インタビュー:日向秀和

独自のノリと変なタイミングの面白さ。

 

「Playing Analysis of PRINCE」前田"JIMMY"久史

「ソー・ブルー」「アイム・ユアーズ」「セクシー・ダンサー」「アイ・フィール・フォー・ユー」「ヘッド」「パーティーアップ」「レッツ・ワーク」「レディ・キャブ・ドライヴァー」「アルファベット・ストリート」「2・ニグス・ユナイテッド・4・ウェスト・コンプトン」「Cloreen Bacon Skin」「Last Heart」「ベイビー・ノウズ」「ミュージコロジー」「タイム」

 

この特集号も鋭く、深く面白かった。

Drums Magazineでは特に特集はなかったようだけど、もしあったなら欲しかった。

楽器から見て行くPrinceは、もっとも全うなアプローチなんだろう。

 

ついでに!

 

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.71

JAZZ JAPAN(ジャズジャパン) Vol.71

 

 

4ページのみながら、「帝王(マイルス)と殿下(プリンス)の"if"」上原基章

マイルスとプリンスが「合わせ鏡」「カインとアベル」的な存在であること。

共演した音源と、実現しなかった共演について。

 

 

ここまで!

次からは特別特集号。

早いこと現代思想へ!!!

 

 

BOWIE「Guitar Magazine 3月号」、「Rhythm & Drums Magazine 4月号」

今日はリットーミュージック

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表紙になったのはGuitarのPrinceのみですが、それぞれ特集が。

 

まずこちら。 

Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 3月号 [雑誌]

Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 3月号 [雑誌]

 

 

Bowie特集は6ページ+「Stay」の楽譜8ページ。

「追悼 デヴィッド・ボウイ山口智

知らなかったエピソードが「日本語訳」で幾つか。

「あいつがイグアナちゃん(イギー)なら俺はアリゲーター

ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』の中でフリークショーの女主人が夜な夜な歌う「火星の生活」

『ダイアモンドの犬』でのボウイのギターのアグレッシブさ

 

TAKUYA 取材・撮影:田坂圭

ソングライターとしてコード進行も見事。日本のポップスとは方法論がまったく違う。

 

志磨遼平(ドレスコーズ)×越川和磨(THE STARBEMS)

"アートワークから何から全部、自分が死ぬことで完成するアルバム"

 

 

続いてドラムマガジン。表紙&特集はマーク・ジュリアナ。

Rhythm & Drums magazine (リズム アンド ドラムマガジン) 2016年 4月号 [雑誌]

Rhythm & Drums magazine (リズム アンド ドラムマガジン) 2016年 4月号 [雑誌]

 

 

ボウイ特集は8ページ。

「HISTORY〜デヴィッド・ボウイを支えたドラマーたちの変遷」Shinichi Takeuchi

1960〜1970年代:ミック・ウッドマンジー、エインズレー・ダンバー、トニー・ニューマン、アンディー・ニューマーク、デニス・デイヴィ

1980年代:トニー・トンプソン、オマー・ハキム、ハント・セールス

1990〜2010年代:プージー・ベル、ジョーイ・バロン、スターリング・キャンベル、ザッカリー・アルフォード、マーク・ジュリアナ

…デニス以降、ほとんどが黒人ドラマー。

 

「Interview 1: Mick Woodmansey」(2001年3月号から抜粋)

「曲に合うように叩くことは簡単だ。でも、前に聴いたことがあるような演奏をしたくない。」

 

Interview 2: Omar Hakim

「スタジオに入ったらみんなその場で曲を頭に入れて、全部耳で聴いて、一番グルーヴしてカッコいいものが見つかるまで、みんなでひたすらジャムったんだ!」

 

Interview 3: Zachary Alford」(2013年7月号から抜粋)

「デモと違うビートを叩いてたんだ。そしたらデヴィッドが"それ、いいね!”って。(…)いろんなことを試して、気に入ると"OK、これをやってみよう!"って。

 

Interview 4: Sterling Campbell

「新しいものに対応する方法を見つけた気がする」

 

「PLAYING ANALYSIS〜デヴィッド・ボウイのリズム/ドラム・トラックをひも解く〜」Hiroshi Matsuo

「Life On Mars?」「Five Years」「Let's Dance」「I Keep Forgettin’」「Dirty Boys」「Where Are We Now?」「Jamp They Say」「New Killer Star」

 

「Drummer's File〜ボウイと共演した打楽器奏者たち」

 

 

というわけでやっぱりPrinceの方は後日。

 

先日、Neu!やHarmoniaのMichael Rotherのライブへ行き、ドラムはHans Lampeだったのだけど、ギターもドラムもクールに熱くて最高!!と思って楽しんだところなので、あまり語られないボウイの音楽の「演奏」に注目するこれらの楽器雑誌の特集は他の一般的な雑誌よりも実はすごく面白い。

 

Prince「ミュージックマガジン 6月号」

今朝(日本の)、BBCラジオでBowieのPromコンサートを生放送していました。

たぶんまたそのうちアーカイヴが聞けるようになるかと。

www.bbc.co.uk

 

昨日読み返したレココレのサエキさんの記事の中で強調されていたBowieのソングライティングの面白さが、こういう色んな人がBowieの曲を演奏する場では特に楽しめる。

John Caleの「Valentine's Day」とか、とても良かった。

 

 

というわけで、昨日、ほんとは一緒に書こうとしていたMusic Magazineの方、行きます。

 

 

Princeの訃報が日本に伝わったのが4/22なので、急遽特集を変更して 28日後に発売。

Prince特集は47ページ。

 

「緊急追悼対談 安齋肇×湯浅学 プリンスに較べられる人はプリンスしかいない」

プリンスへの大ツッコミ大会。笑

特集アタマがコレかい!!と、これ最初に読んだ時も、今も、やっぱりプリンスが死ぬなんて全然ピンとこないので、笑いまくって読んだのでした。

そして大事な指摘がたくさん。「曲のアタマがパシッ」と入って、「フェードアウトが少ない」から、曲を繋ぎやすい。すぐ何の曲か分かる。「本人も間違えないように出来てる」って、めっちゃ核心。

 

「人種もジャンルも越えて深く愛されていたことがよく分かる、哀悼の声の数々〜急死前後のアメリカでの報道と、各界の人々の反応」堂本かおる

4月7日からの動向。

アメリカでも様々な人々が悼む中、比較的すくなかったのが、若いラッパー、10〜20代の黒人、というのがPrinceと縁の薄かった層と推測。

 

「プリンス・ヒストリー① 謎めいた天才の衝撃〜ロックとファンクの狭間からの挑発、そして成功」小出斉

『Chaos and 〜』まで。

 

「オリジナル・アルバム・ガイド①」安斎明定、大谷隆之、高橋健太郎、二木信、安田謙一和久井光司、渡辺健吾、渡辺亨

『For You』(1978)〜『Crystal Ball』(1998)

 

「プリンス・ヒストリー② 果敢で濃密な時間〜過剰なカリスマ性をゆっくりと脱ぎ捨てて」出田圭

『Rave〜』以降。

 

「オリジナル・アルバム・ガイド②」出田圭、印南敦史、長谷川町蔵、松竹剛、宮子和眞

『Rave Un2 The Joy Fantastic』(1999)〜『HITnRUN Phase Two』(2015)

 

「編集盤、別名義など、そのほかのアルバム」高橋修

 

「80年代、映画という新世界で殿下は奮闘し続けた〜プリンスが制作した4本の映画作品」大森さわこ

 

「プリンスが手がけ、見出し、楽曲提供したアーティスト」安斎明定

 

「プリンスがその後に与えた多大な影響〜密室打ち込みファンクから自由な性表現まで時代、ジャンルを超えて存在するプリンス・チルドレン」長谷川町蔵

「日本に我らが岡村靖幸がいるように、それぞれの国に〈ドメスティック化されたプリンス〉がいるはずだ」けれど、アメリカの黒人限定で紹介。

テレンス・トレント・ダービー、ミゲル、ディアンジェロアウトキャスト

 

 

以上が特集。

以下は連載。

「ALBUM PICKUP」

『ヒット・アンド・ラン・フェーズ・ツー』宮子和眞

プリンスが肩の力を抜いて投げるボールのキレの良さ=歌謡性。

 

「編集後記」高橋修

Princeといえば「今野雄二さんと、中村とうよう」と結びついたイメージ。

「4月28日に見た岡村幸公演で、彼がアンコールで「スノウ・イン・エイプリル」を弾き語りで歌ったのには泣けました。」

 

 

BOWIE「レコードコレクターズ 3月号」、「ミュージックマガジン 3月号」

今日はミュージックマガジン社が出している2つの看板雑誌それぞれが表紙&特集でとりあげたBowieとPrince。

もともと「レコードコレクターズ」は「ミュージックマガジン」の別冊として出たので、棲み分けがはっきりしているようで、80年代からBowieはレココレ、PrinceはMMで、という感じだったかと。

追悼号もしかり。

 

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まずはレコード・コレクターズ3月号 (2016年2月15日)

 

訃報が日本に伝わったのが1月11日なので、それから36日後に発売。

表紙が凝ってて、★が隠れてます。

75ページの大特集!

 

「最後の伝説の扉を自らの手でみごとに閉じた、"地球に落ちて来た男"」大鷹俊一

「ロック界が初めて出会う、自己の死と対峙し、作品化したアーティスト」として、ボウイの死という「ニュース」の経緯、およびボウイ史概論。

 

「デイヴィッド・ボウイ"私の一枚"」

赤尾美香『LET'S DANCE』:18歳で36歳のボウイに恋をしていた。

ECD『CHANGESONEBOWIE』:77年2月の「地球に落ちて来た男」公開がファンになって以来最初の最大のイベント。

市川紗椰『hours...』:ジギーではまった小6時に初めて聞いた時は嫌いだった。

奥田英朗『ALADDIN SANE』:ロック・レジェンドらしくドラッグでも飛行機事故でも自殺でもなく、ガンという普通の死に方だったいう衝撃。

岸野雄一『YOUNG AMERICANS』:黒人音楽への冷徹な対象化とぬぐいされない愛着

志摩遼平『ZIGGY STARDUST』:このボウイの"やりくち"に心酔し、なぞってきた。

高橋靖子『HEROES:革ジャンエピソード

土屋昌巳ZIGGY STARDUST』:リアルタイムのあのとてつもない衝撃

ピーター・バラカン戦場のメリークリスマス:声が好みじゃない。映画のロケの思い出。

湯浅学『hours...』世阿弥の「離見の見」。浮遊感。

ROLLYDAVID BOWIE(SPACE ODDITY)』有近真澄氏の見事な日本語詩。

 

「『変身』と表裏一体をなすリアルな音楽的衝動」サエキけんぞう

この特集全体でもっとも面白かった記事。サエキさんの文体が冴え冴え。NHK FMで「今日は一日ボウイ三昧」が行われる際の司会はサエキさんでお願いします!

「『演じる』ことで始めたくせに、生命のすべてを映すことになった楽曲群」から10曲を再検証。

スペイス・オディティ:圧倒的なこの曲の個性は、マイナーとメジャーの混在により、「宇宙の暗く孤独な側面と、宇宙船に太陽が当たったような展望の瞬間を混在させていること」。

〈チェンジズ〉:華のあるメロディの魅力は生涯随一。

〈5年間〉:ジギーというアルバムの評価はこの曲野リズム構造のオリジナリティのせい。

〈ジーン・ジニー〉:グラムのギラギラさ。

〈ヤング・アメリカンズ〉:ボウイの歌唱という異能が結晶している。

ワルシャワの幻想〉:実験結果が失敗したらリリースしないという約束だったほどの実験作。

〈ヒーローズ〉:「ドロっとした狂気」と「骨太な黒人R&B的3リズム」、イーノ&フリップの混ざった破壊力。

〈レッツ・ダンス〉:「ここ一番のメロディ・センス」。

〈ハーツ・フィルシー・レッスン〉:「シーンと格闘する硬質な意志」。

〈★〉:全文素晴らしいです。(涙)

 

再掲インタビュー「ジギー・スターダストはロスにウッチャッてきたよ」インタヴュ—ワー:坂本龍一(1979年2月号)

なんと戦メリ以前のインタビュー!!貴重。

 

「デイヴィッド・ボウイ・ヒストリー」赤岩和美

 

「京都を愛した親日家としての素顔」岡田敏一

正伝寺を尋ね、CM撮影の経緯を紹介。

 

David Bowie 1970s Memories」写真:鋤田正義

 

「遺作という意味を越え、吹っ切れた鮮やかさが残る意欲作」安田謙一

初めて全米1位を獲得したアルバム『★』の全曲解説。

 

『★』のLP+リトグラフ

 

「デイヴィッド・ボウイ・ディスコグラフィ〜オリジナル・アルバム」小野島大

 

「日本盤7インチ・シングル・ギャラリー」常磐響

 

「デイヴィッド・ボウイ・ディスコグラフィ〜映像作品」吉村栄一

 

以上、盛りだくさんの特集。

 

同日発売の「ミュージックマガジン」も特集が読みたくて買っていたので、Bowie追悼記事も付いてきました。3月号(2月20日発売)。 

 

4ページの追悼記事。

「追悼デヴィッド・ボウイ」志田歩

(いま気付いたけど、レココレは「デイヴィッド」で、MMは「デヴィッド」表記なんだ)

『★』の見事さ、発売日に発表された写真の明るいスター性、「実は…」を知った時に誰もが容易に感じとれた彼の闘いの過酷さと雄々しさ。

 

「特集●新世代ジャズ・ドラマー」

『★』が如何に「新しい」音楽だったかを立証するためにも、この特集がこのタイミングで出た意味は大きかった。

 

 

というわけで、ホントはMMのプリンスも書こうとしてたのですが、予想以上にレココレのボウイ特集がボリュームあって、無理です!

また次回。

 

それにしても半年経って、だいぶあれかな、と思って始めたこの「追悼特集メモ」ですが、どうにもこうにもBowieのことに関しては今もすぐ涙が出てしまう。