1ヶ月以上放置してました!
が、その間、忙しくて疲れた時に聞くBowieの声はなんて優しくて心地よいのだろう…と何度も救われました。あとお顔を見たら妙に気持ちが和む。
ホントありがとう、Bowie!!
で、前からやろうと思っていたBowieの載ってる雑誌や書籍を「読む」、シリーズをやってみようと思います。
今回は私の持ってる中では唯一?リアルタイムで買った1998年の「STUDIO VOICE」のグラム特集を。表紙はこちら。
映画『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』の公開に合わせた企画のようです。おそらく私もその映画を見た前後に買いました。あまりにグラムを知らなかったので。
冒頭が近田春男(当時47歳)の文章。
彼の定義するグラムは「どこかアーティフィシャル(人工的)な匂いのする、R&Rスピリットを持ったポップソング」とのこと。なるほど。そして「グラムと呼んでいいのはT・レックス、デヴィッド・ボウイ(とその関連)、ロキシー・ミュージック、そしてゲイリー・グリッターであり、他は単にお化粧をしたバンドに過ぎない」(P. 30)と。
そしてBowieに関しては「私が初めて観たのは、多分“ステーション・トゥ・ステーション”というツアーではなかったかと思う。(・・・)目の前で起こっていることが信じられぬような完璧なショウでもあり、またワイルドなR&Rのライブでもあった。生涯を通じて、ここまで満足させられた舞台は、そうはない。(・・・)このショウが、あまりにもよかったので、次のツアーも見逃すものかと横浜スタジアムへ行った。大きな、地球の形をした風船が客席の上でころがったり、前回にも増して趣向は凝らされていた。しかし、私の心は何故かひえていった。理屈ではない。〈終わったな…〉そう思った。私にとってグラムは、その日が最期の日になった。」(P. 30)
と、なぜ今(1997年)にまたグラム?っていう読者の疑問を体現しつつ、リアルタイムを知るモノとしては、グラム=「もう終わったもの」と言い切るところからこの特集が始まります。
続いて「対談ムッシュかまやつ × 今野雄二」二人は映画『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』はかなり誉めている。私は先日久々に見返してがっかりしたのだけれど…。
それから「David Bowie Album History 選・文=荒田光一」便利な二頁見開きの一覧。
「グラムの息吹を継承するものたち 文=妹沢奈美」Nine Inch NailsやSuede、Marilyn Mansonを紹介。
「グラムとアナザー・セクシャリティー 文=樹村緑」「ボウイは(・・・)ゲイ的な人工性を強調することが、ロックのマッチョなステレオタイプを消し去る有効な手段であると確信したようだ」(P. 46)。グラムが対抗しなくてはならなかった前時代の音楽のことはまた考えて見なければ。
「Todd Haynesインタビュー」『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』の監督へのインタビュー。「グラムロックというものは、自殺してしまったのではないかと思います」(P. 49)とのコメントは映画のストーリーそのもの。
「山本寛斎インタビュー」『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』については「結論から申し上げると、あの映画に、あの時代は写っていないです。エネルギーみたいなものがね。あの時代のファッションや音楽、その他全ての若者の夢や未来は、もっと国際的な規模で、熱く、何かに向かっていたという気がする。流行やトレンドといった切り方でグラム時代を振り返っても、本当は意味のないことなんです。ボウイはこの映画に距離をとっていると感じましたよ。」(P. 53)
「70年代グラムをめぐるファッションの変遷 文=堀井美智子」
「ラフ・シモンズ インタビュー」13歳で『クリスチーネ・F』を観てBowieにはまったラフ・シモンズ。「もし今、グラムが復活するとしても、強力な存在にはなり得ない。グラムは、しかるべき時代に生きたからこそ協力だったんだ、当時のような作用を及ぼすことは、もうないだろう。強力だったあの頃の姿のまま、思い出の中に留まってほしいと願うよ。」(P. 56)
「50 Glamorous Discs 選・文=荒田光一、駒形四郎、佐藤英輔」
挙げられているのは例えば…『The Slider』
T.Rex - Metal Guru (28-12-72) - YouTube
Bowieの提供曲。
Mott the Hoople All The Young Dudes - YouTube
誰でもこれはついEnoに目がいってしまう…
ROXY MUSIC Editions of You - YouTube
などなど。
「ポスト・ロック、ハード・ロックへつながるグラマラス人脈 マップ作成=駒形四郎」日本のバンドでは唯一「外道」が入っている。
「Alien from Mars 文=常磐響」70年代後半からのBowieのB級フォロワーの紹介。
例えば…Be Bop Deluxe
BE BOP DELUXE - Maid In Heaven (1975 UK TV ...
「Sneak Into Glam Rock Club 文=荏開津 広」
「世紀末日本を彩るグラマラスなスターたち〜ゴス・ロマンティックの系譜 文=河野有紀」所謂ヴィジュアル系…
「Children of The Glam Years」東郷かおる子、鋤田正義、櫻田宗久、鮎川誠、土屋昌巳
「それはモッズから始まった 文=水越真紀」パンクとモッズとグラムの接点を。
そんなわけでけっきょくこの90年代末のグラムはほんとにブームだったのか…というと、単なるリバイバル・ファッションだったのではないかと思われるのだけれど、紹介されているグラムの音源は改めて聞くと、確かにパンクと直結していることが分かって面白い。
ではBowieの一番「グラムっぽい曲」ってなんだろう…と勝手に考えてこれを選びました。また近日中に更新することを目指します!