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bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

The stardust trail leading back to you

先日、Ziggy Stardustの元ネタとして知られている「Legendary Stardust Cowboy」が「めっちゃモンド」だ、と教えてもらい、そうなんだ!とさっそく聞いてみたところ瞬殺。

即、注文。 

PARALYZED! His Vintage Recordings 1968-81

PARALYZED! His Vintage Recordings 1968-81

 

 

そもそもZiggy Stardustというキャラクターは、Bowie(1947-  )によると少なくとも3人の元ネタがいて、名前の由来がまずこのLegendary Stardust Cowboy(1949- )Iggy Pop(1947-  )

そしてエピソードとしてはイギリスのロックンローラーVince Taylor(1939-1991)

一時は大人気だったものの、次第におそらくはアルコールやドラッグのせいで言動がヤバくなっていき、「俺=神」と言い出して…、というエピソードから、Ziggyの「rise」と「fall」のネタであるようで。 


Vince Taylor - Shakin' All Over - YouTube

 

Vince Taylorと言えば、「Brand New Cadillac」をThe Clashが『London Calling』の2曲目としてカバーしていることで有名。

てっきりロックンロール・マニアのJoe Strummerかと思っていたら、Paul Simononの提案だったよう。

(Tony Fletcher "The Clash: The Music That Matters"(2012)より)

 


The Clash - Brand New Cadillac - YouTube

 

少し逸れました。

Legendary Stardus Cowboy。

テキサスの田舎でに生まれ育ったLSCは本名がNorman Carl Ordamといい、「生まれ故郷の環境をそのまま反映したような〈大いなる西部〉と孤独な幼少期の妄想を象徴した〈宇宙〉という二つの世界」を生涯のテーマとした謎音楽家。

(『ザ・レジェンダリー・スターダスト・カウボーイ』(EM1061)の安田謙一によるブックレット解説より)

 

個人的にこういう、アメリカのだだっ広い田舎で宇宙と繋がるという話が大好きで、これこそ現代(?)のロマン主義!と思っているのだけれど、まさに彼の音楽はそうしたイメージの代表に思えた。


Legendary Stardust Cowboy Paralyzed - YouTube

 

パフォーマンスもヤバイ。


Legendary Stardust Cowboy - On "hey hey it's ...

 

Bowieはアメリカを訪問した際、同じレコード会社に所属していたLegedary Stardust Cowboyのシングル、「Paralyzed」をもらったのだそう。色んな意味でフトコロが広すぎるよ、マーキュリー。

ZiggyとLegendary Stardust Cowboyのエピソードは有名になったのに、LSCの音楽への関心がなさげなことをLSCがHPでボヤいたのを知ったBowieが、2002年のアルバム『Heathen』でカバーしたのが「I Took A Trip On A Gemini Spaceship」。

で、まあーーー原曲との落差というか昇差というかが凄いことに…笑

Bowie(2002)


David Bowie - I Took A Trip On A Gemini Spacecraft ...

 

LSC (1968)


Legendary Stardust Cowboy - I Took A Trip ( On A ...

 

Bowieは1990年の『Q誌』のインタビューで「彼(LSC)はワイルド・マン・フィッシャーみたいなキャラクターだった。ギターを弾いて、他に隻脚のトランペット・プレイヤーを従えていて、自伝の中で『ただ一つ後悔していることは、親父が僕の成功を見届ける前に亡くなったことだ』と語っていた。彼のすごく馬鹿げているところが好きだったね」と語っているそう。

(パオロ・ヒューイット『デヴィッド・ボウイ コンプリート・ワークス』大田黒奉之 訳、2013年、TOブックス、80頁)

 

LSCとBowie。

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まあ、こういう「モンド」だとか「フリーミュージック」とか言われるような音楽をBowieは自分でやるつもりはないだろうし、できないだろう(能力的にという意味ではなくて)。そもそも狙ってやるもんじゃない。

BowieがLSCを喩えている「ワイルド・マン・フィッシャー」って?とググったら、これがまたLSC以上にヤバイ人だった。

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Wild Man Fishcer(1944-2011)は「どこでも歌う」人だったらしく、彼を見つけたFrank Zappaが気に入って、いきなり1968年に二枚組でデビューさせた、という…。

(このブログに詳しかったです。→


Larry "Wild Man" Fisher on Rowan & Martin's ...

 

まあ、もうこなってくると本人の内面世界とまわりの世界との断絶が大きい「アウトサイダー」の領域に入ってくるので、普通に「影響」云々などとは言えず、ただもうもうその創作のパワーにあやかったり、何か大事な気持ちを思い出させてもらうことしか凡人にはできないのかも…。彼らに見えている世界、体験している感覚を想像しながら。

LSCのブックレットの座談会でDaniel Johnstonに何度も言及していたけれど、彼らの音楽は一見乱暴に見えてとても優しいところが似ているかもしれない。