bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

1977年 Part3.

公開中の映画『ホドロフスキーのDUNE』を見てきました。


映画『ホドロフスキーのDUNE』予告編 - YouTube

 

1975年に企画され、ホドロフスキー監督による壮大なSF映画となるはずだった『DUNE』はけっきょく「夢」のまま終わっているけれど、そこで描かれた夢はたくさんのものを生み出した、というドキュメンタリー。

確かにサントラがPink FloydとMagmaで、サルバドール・ダリミック・ジャガーオーソン・ウェルズらの出演をとりつけていたので、実現していたらとんでもない映画になっていただろうけれど、実現していないがためにとにかく「すごいもの」だ、という想像がみんなによってなされている、逆に大変幸福な映画。

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姫役で出演予定だったダリの愛人アマンダ・リアもお色気健在ぶりを披露。

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このアマンダさん、何者…?と調べると、Roxy Musicのジャケの女性だったんですね!

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ロック界でモテモテだったらしく、Bowieも「Sorrow」のヴィデオで共演した頃、熱をあげていたとか。


David Bowie - Sorrow - YouTube

 

さて、『DUNE』は結局2年後、つまりおそらく1977年に完全に頓挫したものの、そのアイデアは映画史を塗り替えたかの『STAR WARS』にもたくさん転用されたとか。

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STAR WARS』の公開は1977年。

1977年、やはり変革の年。ちなみにタモリが初めてTVに出たのもこの年。

(とはいえ、『2001年宇宙の旅』(1968)は大好きで何度も見てるけれど、実は『STAR WARS』は私にはややこし過ぎてついていけず…の映画です。)

 

1977年。

話がBowieから逸れてしまうけれど、こちらは1977年1月1日にライブを行ったThe Clashの写真。1977と大きく書かれたシャツで歌うジョー・ストラマー

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クラッシュはその3月18日に最初のシングル『White Riot / 1977』を発表。

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The Clash - 1977 (live) - YouTube

 

この曲はレコードでは1分40秒の短い曲。

英語詩は『SUPER BLACK MARKET CLASH』の日本版に載っていたものを参照しようとしたけれど、どうも怪しい…

なのでネットで拾ったものを主に、下に青字日本版ブックレット版も。

拙訳です。

 

1977: The Clash

(J. Strummer / M. Jones)

 

IN 1977 I HOPE I GO TO HEAVEN

 I BEEN TOO LONG ON THE DOLE

AND I CAN'T WORK AT ALL

1977年、天国へ行きたい

失業手当も長くもらいすぎてるし、

全く働けない

(IN 1977 I HOPE I GO TO HEAVEN

I'M TOO LONG ON THE DOPE

AND I CAN'T WORK AT ALL

1977年、天国へ行きたい

薬漬けの日々が長過ぎて、

全然働けない)

 

 

DANGER STRANGER, YOU BETTER PAINT YOUR FAICE

 NO ELVIS, BEATLES, OR THE ROLLING STONES 

危ない、おかしい、顔をペイントしたほうがいい

エルビスビートルズローリングストーンズもダメだ

(DANGER, DANGER, YOU BETTER FIND YOUR PLACE

NO ELVIS, BEATLES OR ROLLING STONES

危ない、危ない、お前は居場所を見つけたほうがいい

エルヴィスもビートルズローリングストーンズもダメだ)

 

IN 1977 KNIVES IN WEST ELEVEN

AIN'T SO LUCKY TO BE RICH

STEN GUNS IN KNIHTSBRDGE

1977年、西11区にはナイフ

リッチになれる奴らはラッキーなんだ

ナイツブリッジにはスタンガン

(IN 1977 GUYS WHO  WORK 'TIL ELEVEN

AIN'T SO LUCKY TO BE RICH

STAY UNDER THE BRIDGE

1977年、11時まで働く奴ら

リッチになれたらラッキーだけど

まだ橋の下)

 

DANGER STRANGER, YOU BETTER PAINT YOUR FAICE

 NO ELVIS, BEATLES, OR THE ROLLING STONES 

危ない、おかしい、顔をペイントしたほうがいい

エルビスビートルズローリングストーンズもダメだ

(DANGER, DANGER, YOU BETTER FIND YOUR PLACE

NO ELVIS, BEATLES OR ROLLING STONES

危ない、危ない、お前は居場所を見つけたほうがいい

エルヴィスもビートルズローリングストーンズもダメだ)

 

IN 1977 YOU'RE ON THE NEVER-NEVER

YOU THINK IT CAN'T GO ON FOREVER

BUT THE PAPERS SAY IT'S BETTER

1977年、お前はローンが続いてる

そんなの一生続くわけないって思ってるようだけど、

新聞によるとそんなのまだマシなことらしい

 (上に同じ)

 

I DON'T CARE 'CAUSE I'M NOT ALL THERE

NO ELVIS, BEATLES  OR THE ROLLING STONES

かまわない だってここにオレは全然いない

エルビスビートルズローリングストーンズもダメだ

(I DON'T CARE, IT'S NOW OR NEVER

THE  WORLD'S PEOPLE ARE BEHIND THE EIGHT BALL

かまわない、今やるしかない

世界中の人たちがもう最後のエイトボールの後にいる)

 

IN 1977 SOD THE JUBILEE

IN 1978

IN 1979 STAYED IN BED

IN 1980

IN 1981 THE TOILET DON'T WORK

IN 1982

IN 1983 HERE COME THE POLICE

IN 1984

1977年、クソジュビリー

1978年、

1979年、まだベッドの中

1980年、

1981年、トイレが壊れた

1982年、

1983年、警察がやって来た

1984年

(IN 1977 THERE'S NOTSHING TO BELIEVE

IN 1978, IN 1979, IN 1980

IN 1981 THE TOILET DON'T WORK,

IN 1982 IN 1983 HERE COME THE POLICE

IN 1984

1977年、信じるものなどなにもない

1978年、1979年、1980年

1981年、トイレが壊れた 

1982年、1983年、警察がやって来た

1984年)

 

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私が聞き取ってみても青字の方はけっこう無理があるんだけど… 

ともかくたいていのパンクロックの訳は「〜しちまえ」「〜しやがれ」と、汚れちまった中原中也か?という、普段の生活では聞かない語調で訳されているのが常々不満だったので、普通に訳してみましたが、ともかく女王の即位25年に沸くイギリスで、1977年にThe Clashは現状を告発し、プレスリーもビートルズストーンズにも「NO」を叩きつけたのでした。

そんな1977年8月16日にプレスリーはこの世を去り、私がこの世にやって来た、という、私が1977年を必要以上に礼賛する理由を白状して、道が逸れてクラッシュにたどり着いてしまった1977シリーズ、とりあえずおしまい!