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bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

Velvet Goldmine

FILM

1998年の公開時に映画館で見ていた映画『Velvet Goldmine』を久々にDVDで観ました。

当時、グラムの知識ゼロで映画館へ観に行き、一応STUDIO VOICEのグラム特集も買って、Bowieのベスト盤だけは借りて聴いてみたけれど、全体的にピンと来なかった。

今回はしかしさすがにツッコミまくりで鑑賞。

 


Velvet Goldmine - TRAILER (1998) [HD] - YouTube

 

Bowieの曲のタイトルが映画のタイトルになっているにもかかわらずBowieが一曲も流れないこの映画は、フィクションでありながら、実際のグラム・ロック・ムーブメント、ポップ・スターのことを描こうとしている。主人公のブライアン・スレイド(ジョナサン=リース・マイヤーズ)は「マックスウェル・デイモン&ヴィーナス・イン・ファーズ」として青い髪に妖艶なメイクと衣装で人気のロック歌手。バイセクシャル宣言で世間を沸かせるも、アメリカ人の妻あり。

言うまでもなく、ジギー時代のBowieのパロディ。

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Velvet Goldmine- Tumbling Down - YouTube

 

彼が憧れていたアメリカのロック歌手がカート・ワイルド(ユアン・マクレガー)で、ステージでは上半身裸に黒いパンツ、プラチナブロンドの長髪をふりみだしながらジャンプして歌う。こちらもそのままIggy Popのパロディー。

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Velvet Goldmine - TV Eye [Curt Wild First ...

 

Bowieの曲は使われてないけれど、仕事もなくヤク中になっていたカートを「ロンドンでレコーディングしよう、プロデュースするから」と声をかけ、愛が芽生えたという二人の甘いシーンで流れるのは、Lou Reed の「Satellite of Love」。カートにはIggyだけでなくLouの事も重ねられている。


Velvet Goldmine - Satellite of Love - YouTube

 

いま、ある程度グラムのことも知ってから見ると、パロディ衣装、映像がちりばめられている上に、音楽は基本的に当時のもの、またはそのカヴァーが使われているので、元ネタを思い出さずにはいられない。

トレインスポッティング』でもさんざんIggyで走りまくっていたユアンのIggyぶりは悪くはなかったけれど、ジョナサン=リース・マイヤーズの方は私はBowieのイメージとかけ離れていて、まったく乗れなかった。その後出演した『ベッカムに恋して』では素朴で爽やかなサッカーコーチを演じていたけれど、そっちの方があってるというか、彼の無垢な感じが全然Bowieと相容れない…Bowieはもっと策士でしょう。

どうも監督は本当にグラム・ムーヴメントに救われたファンの視点を一番大事にしているようで、そのために新聞記者役のクリスチャン・ベールが登場し、彼とスターのスレイドを重ね合わせている。性的マイノリティがいかにこのムーヴメントに生きる道を開いてもらったか、葛藤と許しの背景が物語上で一番大事にされながら、ブレイド(Bowie)も自己実現のためにポップ・スターになったのだ、というようなストーリーになってしまっているのが、最も腑に落ちなかった。

イメージ、虚飾、そうしたことを語りたいのであれば、ファンの側に視点を置いておいたほうがよかったのでは…?

先日述べたBowieが出演した1977年のMarc BolanのTV番組というのは、グラム時代(狭義ではBoranのギターがエレキになってからジギーまでらしいので、1971年〜1972年だけ)が終わって、一度T-Rexも解散した後、パンク・ムーヴメントの中で再リスペクトされてきたスター、Bolanが、再起をかけて積極的に出ていたものの一つであって、Bolanは華麗な復活を遂げる前に事故死してしまう。映画ではこのような悲劇的な実際の死をグラムに与えるのではなく、おそらくは本当にイヤミな感じでLet's Dance時代のBowieの変わり身をグラムの死に置き換えているようだった。

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まあ元ネタが分かるのは面白くもあって、登場人物の中で一番実在の人物とそっくり!と思ったのはスレイドの妻でした。アンジー・ボウイにそっくり!

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あとEnoとT.Rexの曲がなぜか多用されているところは良かった。

オープニング。


Velvet Goldmine - Needle In The Camel's Eye ...

 

スレイドの衣装の羽はEnoが元ネタでしょう。

Eno先生はほんと偉大だ。

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Here Come the Warm Jets

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