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bowie note

David Bowieをキーワードにあれこれたどってみるノート。

The Earth is A Bitch

LYRICS

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昨年日本語版も発売されたPaolo Hewittの『David Bowie Album by Album』の帯で、「なんだかんだ一生あなたの虜。でもそれでよかったです」と述べていた吉井和哉氏は、1997年3月発売の『ニュー・ルーディーズ・クラブ vol.15』(シンコー・ミュージック)にジギー全曲解説などを寄稿(聞き取りで)しており、そこには「僕はずっとボウイを見ているうちに、この人の実像は世界一の楽天家なんだろうなという答えが自分の中で出たんです」(30頁)と書かれている。この言葉は、まだ2ヶ月余りながら、ボウイに熱中してきた私の印象と同じものだ。彼が色々なものに憧れを持って挑み、取り入れて変化していっている様子は、卑下や劣等感と対極の姿勢に感じられる。それはしかし決して謙虚じゃない、というわけではなく、その対象が過去のものでも、若い世代のものでも、大いにリスペクトを示しているところが本当に「明るい」。大いに見習いたい。

 

 

愛息ゾウイが生まれた後に書かれた「Oh! You Pretty Things」は、そんな明るいボウイの歌。

拙訳で。元詩→

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愛らしいきみたち

words & music by David Bowie

 

ねぼけた頭を起こすんだ

服を着て、ベッドを出て

ぼくのために暖炉に薪をくべてくれ

ぼくはコーヒーと朝食を用意したよ

窓の外に見えるアレは何だ?

天の割れ目から僕にむかって手が伸ばされている。

今日やってきた悪夢たちはすべて、

どうやらここにとどまろうとしているようだ。

 

ぼくらはどうなるんだろう

ぼくの居場所は奪われ、君の楽しみもなくなるのか?

ぼくは来るべき世界について考える。

「黄金の者たち」が見つける書物は、

自分が何のために存在するのか、一体何者であるのか困惑し、

分からなくなってしまった人間が、

痛みと畏敬の中から書いたものなのだ。

今日やってきた新しい者たちはみんな、

どうやらここにとどまろうとしているようだ。

 

おお、愛らしい君たち、

君たちがパパとママを狂わせてしまっていることを

分かっているかい?

おお、愛らしい君たち、

君たちがパパとママを狂わせてしまっていることを

分かっているかい?

はっきり言うよ

君は超人類に道を譲らねばならない

 

君の子供を見てごらん

黄金の光線に包まれたあの顔を

彼らが君のものだなんて冗談はやめるんだ

彼らは来るべき人種の始まり

地球はビッチだね

もう僕たちについてのニュースなんてないんだ

ホモ・サピエンスはもうその役目より長生きし過ぎた

今日やってきた新しい者たちはみんな、

どうやらここにとどまろうとしているようだ

 

 

ハンキー・ドリー(紙ジャケット仕様)

ハンキー・ドリー(紙ジャケット仕様)

 

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最初、自分という家の「窓の外」に現れた「新しくやってきたものたち」は「悪夢」として「ぼく」の居場所や「君」の楽しみを奪おうとしているように思われる。しかしその「愛らしさ」の輝きに、狂わんばかりの喜びを感じると、自分のことで悩み苦しんでいた旧世代の生んだもの(書物などなど)も、新世代によってもう一度新たな輝きを持って発見され得るのだと気付き、その生を尊重することを使命と感じている。

 


David Bowie - Oh You Pretty Things - YouTube

 

息子が誕生したという電話を受けたとき、家でボウイが聞いていたのはNeil Youngだったらしく、そのスタイルをまねて作られた「Kooks」の歌詞もやはり自分たち夫婦の「ラブストーリー」に子供を縛るつもりはなく、良かったらただ少しの間つきあって欲しい、といった、我が子に対して愛情とともに大変謙虚な姿勢を宣言する内容になっている。


David Bowie - Kooks - YouTube

 

 

これらの詩は、『The Width of Circle』の歌詞にも名前が登場する、カリール・ジブランの『預言者』の以下の部分に基づいていると、古川氏は指摘している。(『デヴィッド・ボウイ詩集〜スピード・オヴ・ライフ〜』古川貴之 訳、シンコーミュージック、2002年、94頁)

 

「子どもについて」

 

あなた達の子はあなた達の子ではない。

大いなる生命が自分自身に憧れる、その憧れの息子であり、娘たちだ。

あなた達を通して生まれてくるが、あなた達から生まれるのではない。

あなた達とともにいるが、あなた達のものではない。

 

子どもに愛をあたえることはできても、考えまであたえることはできない。

子どもには子どもの考えがある。

子どもの体を家におくことはできても、魂までおいておくことはできない。

子どもの魂はあしたの家に住んでいて、あなた達は夢のなかでさえ、その家へは行けない。

(…)

カリール・ジブラン『預言者』船井幸雄 監訳・解説、成甲書房、2009年、37-38頁

 

 

 

新しい者たちへの信用というのは、きっと彼らが受け継いでくれるであろう、今の自分が成していることへの信用でもあるのだと思う。